2011 Fiscal Year Annual Research Report
イソキノリンアルカロイド生合成マシナリーの構築
Publicly Offered Research
Project Area | Biosynthetic machinery: Deciphering and regulating the system for bioactive metabolite diversification |
Project/Area Number |
23108511
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 文彦 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (10127087)
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Keywords | 植物 / 生合成マシナリー / イソキノリンアルカロイド / シトクロムP450 / タンパク質工学 |
Research Abstract |
植物の多様な二次代謝産物のなかで生理活性が顕著な含窒素二次代謝産物(アルカロイド)のモデルとして、イソキノリンアルカロイド生合成系を対象に、その微生物細胞における生合成マシナリーの再構築による多様なイソキノリンアルカロイドの発酵生産を目的に、生合成再構築の鍵となるP450遺伝子、ならびに細胞内小器官に局在する酵素(ベルベリンブリッジ酵素;BBE)め大腸菌内における発現検討を行なった。 小胞局在型フラビン酵素・BBEを低温発現誘導ベクター系により可溶性画分に高発現させるとともに、BBE活性を検出することに成功した。しかしBBE活性はタンパク質量に比べて低く、発現したBBEの多くはアポ型タンパク質であると推測された。 一方P450であるCYP719A5の発現のためにN末端疎水性アミノ酸配列の改変やコドンの最適化、シグナルペプチドの付加等を検討した。さらに、細菌Bacillus megaterium由来のP450BM-3におけるP450レダクターゼドメインを融合させたキメラ酵素としての発現も試みた。いくつかの改変によって不溶性画分での発現を認めたが、可溶性画分での高発現は認められなかった。また、in vitroにおける酵素アッセイにおいてもCYP719A5活性の検出に至らなかった。CYP719A5の大腸菌発現系の構築と並行して、既に活性型での発現に成功しているCYP80G2の大腸菌発現系の最適化を行った。その結果、タンパク発現誘導時における培養温度や、ヘムの前駆体であるアミノレブリン酸の添加が活性型でのP450発現量に大きく影響することを認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小胞局在型フラビン酵素BBEを大腸菌内で発現させ、その酵素活性を検出することに成功するとともに、膜局在型P450についても、CYP80G2をモデルに、タンパク発現誘導時における培養温度や培地条件等の検討により活性型でのP450発現量を増大することに成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画そのものは、おおむね順調に進展しているものの、対象とする酵素遺伝子によっては、活性型酵素の発現が極めて困難なものがある。細胞内膜系を持たない大腸菌では、内膜系において発現するタンパク質の発現が困難でることは予想されていたことであるが、想定以上に難しいことを実感している。そのために、大腸菌とともに、内膜系を持つ酵母を用いた実験系も検討することとしている。
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Research Products
(13 results)