2011 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳系を介した複素環含有ペプチド生合成機構を応用した抗生物質生産システムの構築
Publicly Offered Research
Project Area | Biosynthetic machinery: Deciphering and regulating the system for bioactive metabolite diversification |
Project/Area Number |
23108519
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
尾仲 宏康 富山県立大学, 工学部, 准教授 (80315829)
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Keywords | 抗生物質 / 生合成 / 遺伝子 / 放線菌 |
Research Abstract |
多くの生物種に分布するチアゾールオキサゾール含有ペプチド(TOPs : Thiazole Oxazole containing Peptides)は様々な生理活性を有している有用物質である。我々によって放線菌より発見された二次代謝産物・ゴードスポリンはTOPsに属し、リボゾーム翻訳系を使って生合成される特徴がある。このためゴードスポリンの構造遺伝子の塩基配列置換により、多様なゴードスポリン類縁体を作り出すことができる。本研究では、ゴードスポリン及び類縁TOPs生合成マシナリーを利用して様々な構造のTOPを効率的に高生産するシステムを構築することを目的とする。 1,ゲノム情報に基づいた未同定TOPs生合成マシナリーの発掘 公開されている放線菌ゲノム情報を利用して、未同定TOPs生合成遺伝子群をクローニングし、新規のリボゾーム翻訳系によって合成されるTOPsを発掘した。具体的にはStreptomyces lactacystinaeus OM-6519に存在する未同定TOP生合成遺伝子をクローニングし、S.lividansを用いて発現させ、生産物を同定した。その結果、TOPsの内のチオペプチドに属する化合物の生産が確認でき、構造解析の結果新規物質であることが明らかとなったため、lactazoleと命名した。本化合物は6つの生合成遺伝子によってリボゾームによる翻訳により合成されることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究の結果、ゲノムマイニングによる新たなTOPs天然物の発見に成功したため
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、新たに発見した新規物質・lactazoleの生合成マシナリーをゴードスポリン生合成マシナリーを組み合わせることにより、構造多様性に富んだTOPsライブラリーの構築を目指す。また、複合培養、複合誘導法を用いることにより、生産量の増加も試みる。
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Research Products
(5 results)