2011 Fiscal Year Annual Research Report
未利用遺伝子資源の発掘研究と合成生物学的手法による次世代微生物触媒の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Biosynthetic machinery: Deciphering and regulating the system for bioactive metabolite diversification |
Project/Area Number |
23108521
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
鮒 信学 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (70361574)
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Keywords | III型ポリケタイド合成酵素 / ポリケタイド / 生合成 / 放線菌 |
Research Abstract |
III型ポリケタイド合成酵素(III型PKS)は、植物と微生物に幅広く分布し、主に芳香族ポリケタイドの合成を触媒する。放線菌S.reveromyceticusのゲノムに、III型PKS様配列が5種見出された。この内、2_11は既知III型PKSとアミノ酸相同性が低いため、新規反応を触媒する可能性が高いと判断した。放線菌S.avermitilisをホストとして2_11を発現させたところ、6種の化合物の蓄積がHPLC分析により判明した。各種NMR解析、MS解析の結果、これらはdihydropyrone骨格をもつ新規な芳香族ポリケタイドであることが判明した。2_11をpIJ4123にクローニングし、pIJ4123-2_11を構築した。S.lividans TK21/pIJ4123-2_1の菌体粗抽出液からNickel-NTA columnを用いて組換え2_11を精製した。有機合成によって調整した3-hydroxy-acy1-NACをスターター基質として組換え2_11のin vitro反応を行ったところ、dihydropyroneを生産することが判明した。以上より、2_11は新規なdihydropyrone化合物の合成を触媒するIII型PKSであることが判明した。 Nobiletinはオレンジ(C.Sinensis L.)の果皮に含まれる。FNSI配列を鋳型としてC.Sinensis L.のゲノム配列および転写物に対しBLAST検索を行った結果、少なくとも3種類の2-oxoglutarate dependent oxygenaseの存在が判明した。また、SAM-dependent methyltransferaseを鋳型としてC.Sinensis L.のゲノム配列および転写物に対しBLAST検索を行った結果、少なくとも5種類のSAM-dependent methyltransferaseが存在することが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、放線菌からIII型ポリケタイド合成酵素を単離する予定であった。予定通り、新規酵素を発見できた上に、その触媒機能を試験管内で再現するなど、新規酵素の触媒機構まで解析できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、植物アルカロイドの生合成に関与する生合成酵素遺伝子の単離を行う。その結果、微生物において有用生薬成分を生産させることが可能になると考えられる。
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