2012 Fiscal Year Annual Research Report
リン原子を骨格構成元素とするフタロシアニン類の合成とその性質
Publicly Offered Research
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
23108707
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水畑 吉行 京都大学, 化学研究所, 助教 (30437264)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 有機元素化学 / 典型元素 / リン / フタロシアニン / π拡張分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
高周期元素不飽和結合は、その小さなHOMO-LUMOギャップに起因して光学的・電気的に興味深い性質が見られ、物性・機能化学的要素を主眼として新たに展開することが国内外で強く切望されている。本研究課題では、その中で第三周期15族元素であるリンを含む不飽和結合に着目し、それを高次環状共役系であるフタロシアニンに組み込むこと(窒素→リン置換)を目的としている。リン原子に置換することで、HOMO-LUMOギャップは顕著に減少し、新たな物性を発現することが期待できるばかりでなく、リン-炭素結合長は窒素-炭素結合長に比べて顕著に伸長するため、中心配位場(空隙)のサイズ変化が起こると考えられる。それに伴い、母体フタロシアニンとは異なる配位能などが期待できる。 平成24年度は、フタルイミドに対するホスファピーターソン型反応を検証し、リン原子置換フタロシアニン合成の中間体となり得るホスファアルケンと考えられる化合物を得た。現在この化合物の構造決定および更なる変換を検討している。 また導入するリン原子数を少なくした骨格の逐次合成を検討し、ジピリン錯体に対するリン原子導入の検討を行った。既に報告されているピロール類と三臭化リンによる2位へのリン原子導入法を踏まえ、ジピリン錯体と三臭化リンによる分子内環化反応を検討した。しかし、脱金属化の抑制が困難であり効率的なリン原子導入には至らなかった。後の変換が可能なフェニル置換基を有するブロモホスフィン類を用いることで反応の選択性をあげることが可能であると考えており今後の検討課題である。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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