2012 Fiscal Year Annual Research Report
典型元素を含む新奇ポルフィリンπ空間の機能化と集積化
Publicly Offered Research
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
23108708
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
俣野 善博 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40231592)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ポルフィリン / ジアザポルフィリン / 錯形成 / 吸収特性 / 発光特性 / 酸化還元電位 / 太陽電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では『典型元素の特性が最大限に発揮されるようなπ空間を創発し、その機能を利用する』ことを目的として、期間内に主に次の課題に取り組んだ。(i)メソ位に窒素を含むジアザポルフィリンの合成と、それらの構造・物性・配位挙動の解明。(ii)π系が高度に拡張されたジアザポルフィリン二量体の合成、(iii)ジアザポルフィリンの特性を活かした有機太陽電池の作製と性能評価。まず、アジ化ナトリウムとジブロモジピリンとの反応を利用して、β無置換ジアザポルフィリンフリーベースを20%程度の単離収率で合成する事に成功した。次いで、得られてフリーベースの錯形成により、各種金属錯体を構築し、その吸収特性、発光特性、および電子受容性・電子供与性を調べた。その結果、ジアザポルフィリンπ系の物性が、ポルフィリンの場合と同様、中心金属の種類に大きく依存することが明らかとなった。さらに、β無置換ジアザポルフィリン-ニッケル錯体のβ位を位置選択的に臭素化した後、パラジウム触媒を用いて反応させることにより、ジアザポルフィリン二量体を合成する事に成功した。各種スペクトル測定および理論計算の結果、この二量体は高い平面性を持ち、π系は大きく拡張されていることを見いだしている。また、一部の誘導体についてはその吸収帯が近赤外領域に達することから、色素増感太陽電池への利用も検討している。以上の結果は、アザポルフィリン誘導体の構造―物性相関を理解する上で重要な知見を与えるものである。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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