2012 Fiscal Year Annual Research Report
規則配列したπ電子系結晶空間が示す協同的発光増幅現象
Publicly Offered Research
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
23108712
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
柳 久雄 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (00220179)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 高性能レーザー / 分子性固体 / TPCO / パルス型遅延発光 / 協同的発光現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
協同的発光現象であることが示唆されている(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー(TPCO)結晶から得られるパルス型遅延発光の発生起源を明らかにするため、以下の研究を行った。(1) TPCO誘導体単結晶の成長と微細加工: TPCO単結晶が示すパルス型遅延発光が、結晶の形状やサイズ、分子配向よって、スペクトル分裂や遅延時間がどのように変化するかを調べるため、これまでパルス型遅延発光が得られたBP1T-OMeとは対称性の異なる BP2T-OMeと、分子末端にシアノ基をもつ BP1T-CNを用いて単結晶を作製した。その結果、BP2T-OMeはBP1T-OMeと同じ斜方晶系の薄板状結晶に成長したのに対して、BP1T-CNはこれまでのTPCOとは異なる三斜晶系に属する針状および薄板状の結晶に成長した。これらの結晶構造の違いは、分子間における末端基の水素結合とクーロン相互作用に起因していることを明らかにした。また、フォトリソグラフィと反応性イオンエッチングを用いてBP1T多結晶膜を幅10 μmのマイクロキャビティ構造に微細加工することに成功した。 (2) TPCO単結晶の時間分解発光測定: (1)で作製した2種のTPCO誘導体単結晶を用いて、Ti:Sパルスレーザー励起による時間分解発光測定を行った。その結果、レーザー発振の励起閾値前の励起密度において、BP2T-OMe結晶からは80 ps、BP1T-CNからは50 psの遅延時間を伴ったパルス型遅延発光を観測した。これらの遅延時間はこれまでにBP1T-OMe結晶から得られた300 psより短いことから、結晶面内での遷移双極子の配向の違いが協同的発光増幅現象に影響しており、遷移双極子の一軸配向性が高いほど遅延時間が長くなることが示唆された。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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