2011 Fiscal Year Annual Research Report
内部ベンゼン融合型π電子系の創出とその物性評価
Publicly Offered Research
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
23108714
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
宇野 英満 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (20168735)
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Keywords | ペリ環状分解反応 / 近赤外色素 / ヘキサフィリン / BisBODIPY / フロリン / キレトロピー分解反応 / BODIPY |
Research Abstract |
申請者は、逆Diels-Alder反応によりπ電子系を融合させる方法を開発し、高度にπ系の広がった化合物群の合成を行ってきた。本申請の研究では、これまでの研究をさらに発展させることを目的として、以下の課題を検討することとした。 課題(1) BCOD内部縮環ヘキサフィリン合成の検討 課題(2) 光で分解するジカルボニル架橋やカルボニル架橋を持つ2H,6H-ベンゾ[1,2-c;4,5-c']ジピロール前駆体合成の検討 課題(3) 二重混乱NCフロリンのエチレン架橋をジカルボニル架橋またはカルボニル架橋に変えた化合物の合成 課題(4) 近赤外吸収色素としてのπ電子系融合ボロンジメテン色素の合成 課題(5) 大環状ポルフィリノシクラセン合成 今年度は課題(1)~(4)を検討した。課題(1)では、種々条件を検討したが、BCODが内部に縮環したジヒドロヘキサフィイリンが少量得られるのみで、ベンゼン架橋体への変換は検討できなかった。課題(2)では、カルボニル架橋2H,6H-ベンゾ[1,2-c;4,5-c']ジピロール前駆体を合成した。この化合物は、非常に反応性に富み、すぐに分解してポリマーとなることが分かった。このことは、このユニットをπ系に組み込めばこれまで困難であったπ系の構築や融合に使えることが分かった。課題(3)では、現在カルボニル架橋フロリン誘導体の合成を行っている。課題(4)では、近赤外領域にのみ大きな吸収を有するπ電子系融合ボロンジメテン色素の合成に成功し、特許並びに論文の投稿を行った。課題(5)については平成24年度より開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた4課題のうち課題(1)では目的の前駆体を得ることに成功していないが、他の3課題では、木定通りの成果を得ることに成功している。さらに、本新学術領域研究の班員の方々との共同研究を行うことができ、その成果を論文として発表することに成功していることから、(1)の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も表域内での共同研究を推進するとともに、やり残した課題(1)と(5)に挑戦する。また、本研究で得られた化合物の物性の評価を。企業との共同研究で明らかにして知的財産権として登録してゆく。
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