2011 Fiscal Year Annual Research Report
N-混乱ポルフィリノイドを用いる高次dπ共役系の創製
Publicly Offered Research
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
23108715
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古田 弘幸 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40244157)
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Keywords | ダブルデッカー錯体 / フェロセン / N-フューズポルフィリン / ヘキサフィリン |
Research Abstract |
1. ダブルデッカーNFP鉄錯体の合成 5,10,15,20-テトラフェニュル N-フューズポルフィリン(NFP:N-fused porphyrin)を配位子とする鉄錯体の合成を試み、ダブルデッカー型鉄(II)錯体の合成に成功した。Cp鉄錯体を用いて、NFPとの配位子交換によるFe錯体合成を試みたところ、反応生成物の中に、ダブルデッカー型錯体が存在することがマススペクトル、および^1H NMRスペクトルにより確認された。反応温度溶媒などの条件検討の結果、収率14%まで収率を向上させることが出来た。プロトンNMRによる温度可変測定による配位子回転の解析も行ったが、回転異性体の存在の確認は出来なかった。単結晶X線構造解析の結果、鉄原子とN-フューズポルフィリン環の距離は約1.65オングストロームで、通常フェロセンと類似の配位構造であることが判明した。また、吸収スペクトルも面間相互作用に依る長波長シフトが観測された。さらに、計算化学により軌道エネルギーを見積もったところ、22パイ系の配位子として振舞っていることが判明した。 2. 長方形型多重N-混乱拡張ポルフィリンの合成 オキソ化されていない、二重N-混乱ヘキサフィリン金属錯体の合成に成功し、パラジウム錯体が及び白金錯体が近赤外領域に強い吸収を持つことを明らかにした。また、一重N-混乱ヘキサフィリンのパラジウム錯化において、骨格転移反応が進行し二重N-混乱ヘキサフィリンになることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
化合物の合成に成功し、誘導体合成が可能になったので、系統的物性検討が可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
ヘキサフィリンに多様な金属錯化を試みる予定である。
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