2012 Fiscal Year Annual Research Report
スマネン骨格を有する三座配位子を活用したバルクおよび金属表面での高次π空間の創出
Publicly Offered Research
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
23108722
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
小林 潤司 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (90334242)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | トリフェニレン / ヘテロπ共役分子 / スマネン / コロネン / ラジカル環化反応 / ジベンゾシロール |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘテロ-π共役化合物は典型元素の元素特性とπ共役系との相互作用に起因して、発光性や電子受容能の向上といった優れた物性を有することから、盛んに研究がなされている。しかし、既存のヘテロ-π共役化合物の多くは、アセン類のようにπ電子系を一次元的に伸長したものであり、より高次元に拡張したπ共役系に典型元素を組み込んだ例は限られていた。本研究では、2次元的に広がったπ共役系に対し典型元素を導入したヘテロ-π共役化合物を創製することで、拡張π共役系と典型元素固有の性質との相乗効果を活用した新規な光・電子物性の発現を目指した。基本骨格としてトリフェニレンを選定し、分子周縁部にケイ素、スズ、またはリンを導入することで、ディスク状の平面π共役分子であるトリヘテラスマネンの合成に成功している。リンを導入した分子については、リン原子上を硫化することでホスフィンスルフィドへの誘導化も行なった。さらに合成したトリヘテラスマネンのUV/visスペクトルでは、導入した典型元素に応じて吸収・発光波長が変化しており、典型元素とトリフェニレンπ電子系が良好に相互作用していることを確認している。本年度はさらに同様の手法を活用し、トリヘテラスマネン合成の共通前駆体であるヘキサリチオ体を用い、オキサリルクロリドと反応させることによって、コロネン誘導体へと変換することを試みた。その結果、トリフェニレンの湾部の2箇所、または3箇所で反応が進行したと思われる生成物を得た。さらに、リチオ化を経ない方法として、トリフェニレンと、アセチレンジカルボン酸ジエチルとのDiels-Alder反応によるコロネン誘導体の合成についても併せて検討した。また、ジベンゾシロール合成の新しい手法として、ラジカル環化反応を用いた合成法についても検討を行い、良好な収率でジベンゾシロールを与えることがわかり、新たな合成手法の確立に成功した。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)