2011 Fiscal Year Annual Research Report
磁気誘電効果を用いた単一媒質メタマテリアル素子の探索
Publicly Offered Research
Project Area | Electromagnetic Metamaterials |
Project/Area Number |
23109501
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安 東秀 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70500031)
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Keywords | メタマテリアル / 磁気誘電効果 / イットリウム鉄ガーネット / スピン波 / スピンエレクトロニクス / 走査プローブ顕微鏡 |
Research Abstract |
単一媒質を用いたメタマテリアルの実現を目指し、先ず、試料の選択と作成を行なった。特に、イットリウム鉄ガーネット(YIG)に着目して、マイクロ波周波数領域で磁気誘電効果(ME効果)を発現させ、メタマテリアル特性を観測することに注力した。YIGを用いて室温においてME効果が発現されれば、今後の応用展開が容易であり重要な成果となる。先ず、静的なME効果を観測する目的で、磁気ドメインに静電場を印加した際の磁気的な応答を顕微観察した。さらに、マイクロ波領域において磁化の集団励起であるスピン波を励起しその際の電場応答を観測する実験も行なった。未だ明確なME効果の確認にはできていないが、ME効果に起因すると期待される信号検出に成功している。 並行して、マイクロ波の伝搬を二次元で顕微する走査マイクロ波顕微鏡システムの整備を進めた。その結果、ピエゾ素子を用いた粗動機構とネットワークアナライザを用いたマイクロ波検出機構をプログラミングにより自動化して整備することができた。これにより、今後、二次元のスピン波の伝搬の様子を視覚化することが出来る。その際には、同軸プローブにより高周波電場分布を、ループプローブにより高周波磁場分布を計測する。 本研究は、安(研究代表者)により全体の研究が統括・遂行され、必要に応じた連携研究者との緊密な協力体制を構築して研究を進めた。メタマテリアル素子作成に用いるYIG等を作成する設備は所属機関の齊藤研究室で整備され、最適なメタマテリアル素子の作成が可能な環境が整った。連携研究者の、齊藤氏、安藤氏は、スピントロニクスやスピン波の物性に精通し、スピントロニクスとメタマテリアルの融合研究の可能性についても活発に議論を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
狙っているイットリウム鉄ガーネット(YIG)からの磁気誘電効果(ME効果)発現の確認に期間を要しているため。ME効果発現達成のための準備は年度中に整備されたが未だ確認には至っていない。高周波の走査プローブを用いたメタマテリアル効果の可視化についても計測機構の整備を済ませた段階であり、今後、調整をしてメタマテリアル効果の可視化を達成したい。
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Strategy for Future Research Activity |
単一媒質のみを用いたメタマテリアルの実現を目指す。試料にはイットリウム鉄ガーネット(YIG)に着目し、磁気誘電効果(ME効果)を誘起させることにより、メタマテリアル特性の発現を狙う。特に、YIGにおいて磁気共鳴やスピン波を励起することによるME効果の誘起を試みる。一方で、マイクロ波領域でのメタマテリアル評価に有用な手法として、走査マイクロ波顕微鏡を用いて、メタマテリアル中の高周波磁場と高周波電場の空間分布の計測を要素技術として確立する。これにより、メタマテリアル中を伝播するマイクロ波の負の屈折の様子を可視化し、メタマテリアルの評価手法として有用であることを実証する。さらには、メタマテリアル効果を用いた超解像マイクロ波計測についても試みる。
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