2012 Fiscal Year Annual Research Report
磁気誘電効果を用いた単一媒質メタマテリアル素子の探索
Publicly Offered Research
Project Area | Electromagnetic Metamaterials |
Project/Area Number |
23109501
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安 東秀 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70500031)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 磁気誘電効果 / イットリウム鉄ガーネット / スピン波 |
Outline of Annual Research Achievements |
単一媒質のみを用いたメタマテリアルの実現に向けて、 (1)試料にイットリウム鉄ガーネット(YIG)を用い、磁気誘電効果(ME 効果)の発現を狙い研究を行った。先ず、ME効果を観測するため、ゼロ磁場中で形成されるYIGの磁区ドメイン構造に直流バイアスを印加して磁気ドメインの変位を観測することに注力した。電場(直流バイアス)印加により磁区が変位すればME効果の実証となる。YIG薄膜試料の母材(ガドリニウムガリウムガーネット)を100マイクロメートルの薄板に成形して電場強度を強くして実験を行ったが、明瞭な磁区の変位を確認することはできなかった。その後、さらに薄板化して電場印加を試みることや、より磁区ドメイン間の相互作用が弱い試料を用いることにより、ME効果を観測できると考えている。 (2)マイクロ波領域でのメタマテリアル評価に有用な手法として、これまでに開発を行った走査マイクロ波顕微鏡の要素技術を確立することを目指した。必要な、ピエゾ駆動機構とマイクロ波検出機構を組み合わせた装置とこれらを統合的に制御するプログラミング、データ解析用のソフトウエアの開発を完成することができた。先ず、スピン波が定在波として空間的に分布する定在波-スピン波の観測を目指した。明瞭な定在波イメージの観測には成功していないが、今後、マイクロ波プローブを改良することで性能を改善できると考えている。 (3)(2)に類似の手法として赤外線カメラを用いてスピン波の散逸に因る発熱を観測しスピン波の伝播の様子を捉えることに成功した。先ず、試料中で定在波を形成する低在スピン波からの熱発生をとらえ明瞭に定在波を観測し、続いて、表面に局在し、非相反な声質を持つ表面スピン波を励起した際に、試料端で熱放出が起こることを見出した。この現象は特異な波の伝搬現象という意味でメタマテリアルと呼ぶことができる。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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