2011 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒電子ビームとテラヘルツ波メタマテリアルを用いた逆チェレンコフ放射の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Electromagnetic Metamaterials |
Project/Area Number |
23109507
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅 晃一 大阪大学, 産業科学研究所, 特任助教(常勤) (60553302)
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Keywords | 応用光学・量子光工 / 量子ビーム |
Research Abstract |
1)コヒーレントチェレンコフ放射による多モードテラヘルツ波発生 誘電体管と短パルス電子ビームを用いたコヒーレントチェレンコフ放射により得られるテラヘルツ波特性について研究を行った。中空誘電体管に電子ビームを通過させると、誘電体の遅波構造と電子ビームのチェレンコフ放射により、周期的な電場(多モードテラヘルツ波)を発生することができる。内径/外径=5/7mmの誘電体管中に電子ビームを通過させた時に得られるテラヘルツ波をマイケルソン干渉計により測定し、周波数スペクトルは理論的なTransverse Magnetic(TM)モードの数値解析により説明できることが分かった。また、パルス幅:0.2psの電子ビームを用いた結果、0.72THz・(TMO17)までの高周波・多モードテラヘルツ波放射に成功した。 2)スミス・パーセル効果による多方向テラヘルツ波発生 電子ビームのと金属構造体を利用したスミス・パーセル効果について研究を行った。電子ビーム軌道に対して、多方向に放射されるテラヘルツ波発生を測定するため、ある放射角の成分を測定できるマイケルソン干渉計を構築した。電子ビーム軌道と1mm離して、周期長:2mmの金属回折格子を設置し測定を行った結果、放射角:102~134°の時、得られたテラヘルツ波スペクトルのスパイクは0.117~0.085THz間でシフトすることが分かった。電子ビームパルス幅(≒30ps)のため、低周波の放射のみを確認したが、短パルス化により高周波の放射が可能になると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コヒーレントチェレンコフ放射により得られる電子ビームのテラヘルツ波特性を評価した。また、メタマテリアルに近い金属構造体を用いたスミス・パーセル効果により得られるテラヘルツ波の評価および放射角毎のテラヘルツ波測定光学系構築についても完了しつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
逆チェレンコフ放射を実証するために、テラヘルツ波メタマテリアルの製作を行い、形状の最適化により逆チェレンコフ放射を実証する。メタマテリアル製作においては、形状および材質が非常に重要であるため、過去にメタマテリアルとして報告されている、分割リング構造やプラズモンアンテナ構造等について、数値計算、設計を行い、形状の方針を決定する。また、実際にメタマテリアルを製作し、形状の最適化により未実証の逆チェレンコフ放射を実証し、新たなメタマテリアル創生に展開する。
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