2011 Fiscal Year Annual Research Report
テラヘルツ波メタマテリアルにおける表面波の特異な分散特性と機能
Publicly Offered Research
Project Area | Electromagnetic Metamaterials |
Project/Area Number |
23109508
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高原 淳一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90273606)
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Keywords | 表面波 / プラズモニクス / 左手系媒質 / スローライト / テラヘルツ波 |
Research Abstract |
本研究はメタマテリアルによって構成される左手系媒質(Left-Handed Material: LHM)と様々な光学媒質との界面に存在する表面波の分散特性を理論的に解析し、それをもとに新しい原理のテラヘルツデバイスを提案することを目的とする。 LHMと誘電体との界面に存在する表面波の分散特性の解明のためには、はじめにメタマテリアルを構成する共振器の具体的な構造を決める必要がある。このとき、通常研究されているようなTEM波に対するLHMではなく、表面波のモードであるTM波またはTE波に対するLHMを構成しなければならない。さらに、従来、メタマテリアルの表面波は等方的LHMを仮定して議論されてきたが、テラヘルツ帯において実際に実験を行う場合は異方性LHMを取り扱うことが求められる。 そこで、初年度はLHMの代表的な構成要素である分割リング共振器(Split Ring Resonator: SRR)と細線(Thin Wire: TW)をどのように配置すれば、TM波とTE波の二つの表面波を伝搬させ得る異方性LHMとしての「メタ表面」を構成できるか理論的に検討を行い、具体的な配置を見出した。さらに、テラヘルツデバイスへの応用を視野に入れて、このメタ表面の誘電率と透磁率の周波数特性を求め、テラヘルツ帯でLHMとして動作できる帯域と構造パラメーターを決定することによって、メタ表面の分散特性を求めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メタ表面の構造パラメーターと分散特性が決定できたことで、今後の計算の基盤を固めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度の成果に基づきメタ表面の分散関係の詳細な理論的解明を行い、スローライトなどを応用したテラヘルツデバイスの提案を目指す。 1)メタ表面の分散関係 昨年度の成果に基づきSRRとTWから構成された一軸性および二軸性LHMにおいて、周波数特性を取り入れた表面波の分散関係を求め、群速度や群速度分散を調べることにより、テラヘルツ波におけるスローライトやストッピングライト(停止)が実現できるかどうか調べる。 2)メタ表面のテラヘルツデバイスへ応用 1)の成果をもとにして、アクティブなテラヘルツデバイスへの応用を検討する。
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Research Products
(14 results)