2011 Fiscal Year Annual Research Report
透明マントの設計とその応用研究
Publicly Offered Research
Project Area | Electromagnetic Metamaterials |
Project/Area Number |
23109512
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
落合 友四郎 大妻女子大学, 社会情報学部, 准教授 (60423034)
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Keywords | 透明マント / クローキング / メタマテリアル |
Research Abstract |
通常、自然界にある物質では、誘電率、透磁率の分布は非常に限られている。ところが最近のメタマテリアルの発展により、通常自然界にある物質では得られないような光学的性質を持つ物質を作り出すことができるようになってきた。人工的なスーパー素材であるメタマテリアルを用いた面白い応用として、いわゆるクローキング(透明マント)の実現可能性が高まってきている。クローキングとは中心部分に物を隠せる場所(不可視領域)があって、外から電磁波がやってくると、その不可視領域を迂回して、入射してきた電磁波の形を崩さずにそのまま入射方向の後方に抜けさせていくというものである。結果として、装置全体を含めて不可視領域が外から見えなくなる。 今年度は、カーペットクローキングの理論的研究に重点をおいた。カーペットクローキングとは、鏡のようなカーペット状の媒質の一部に膨らみを持たせて、そこに物を隠すようにしたものである。そこに上手く屈折率分布を与えると、光があたかもフラットな鏡を反射したようにみえ、こぶの部分が中身も含めて、外界から消えたようなイメージを与える装置である。 今回、ラプラス変換を用いることにより、カーペットクローキングの設計図を得る手法を確立した。それぞれの関数のラプラス変換に対して、それぞれ別のカーペットクローキングの形状が対応している。この成果は論文にまとめ、投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メタマテリアルの応用として、クローキングデバイスがある。より現実的な新規なデバイスとして、カーペットクローキングに焦点をあてて、その設計手法を提案した。
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Strategy for Future Research Activity |
今回、カーペットクローキングとラプラス変換の関連性について調べた。カーペットクローキングの形状を最初に決めたときに、どのようなラプラス変換の関数形が、その形状を生み出すのかという逆問題が応用上重要になる。 今後は、ラプラス変換の関数形とカーペットクローキングの形状の関連性をより深く調べる予定である。
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