2011 Fiscal Year Annual Research Report
晩発性パーキンソン病原因遺伝子産物タンパク質ネットワークの包括的解析
Publicly Offered Research
Project Area | Generation of synapse-neurocircuit pathology |
Project/Area Number |
23110502
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
今居 譲 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30321730)
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Keywords | LRRK2 / ショウジョウバエ / 神経軸索 / エンドソーム / 小胞輸送 / Notchシグナル / キナーゼ / 神経変性 |
Research Abstract |
LRRK2にリンクする晩発性遺伝性パーキンソン病は、孤発性パーキンソン病の多くの特徴を有している。また家族歴のないパーキンソン病患者からもLRRK2変異が見つかることから、LRRK2シグナルの異常がパーキンソン病病理の根幹をなすと考えられる。優性遺伝をとることから、アミノ酸置換に起因する機能獲得変異が神経変性の原因になると考えられているが、その詳細は不明である。LRRK2はキナーゼをコードしておりシグナル伝達に関与すると考えられることから、LRRK2結合タンパク質の同定からLRRK2シグナルの解明を試みた。その結果、複数(約100種類)の結合タンパク質を検出したが、さらにショウジョウバエを用いた機能的スクリーニング行い、2種類の結合タンパク質(LBP1,LBP2)を同定した。LBP1,LBP2のアミノ酸配列およびショウジョウバエを用いた遺伝的解析から、両分子はNotchシグナルに関与する可能性が考えられた。培養細胞共培養系(Notch受容体を発現する細胞とNotchリガンドDLL1を発現する細胞の混合培養)のHesl promoterを用いたレポーターアッセイ、マウス胚へのin utero electroporationによる遺伝子導入により、LRRK2/LBP1/LBP2はNotchシグナルを抑制することが示唆された。さらに、LRRK2/LBP1/LBP2の発現が胚の神経発生時において、神経分化を促進することを見出した。この観察が神経変性に関与するか今後検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LRRK2結合分子が関与するシグナル伝達がNotchシグナルであることを明らかにし、次年度このシグナルに焦点を絞って解析するための道筋をつけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
LRRK2はキナーゼをコードしており、リン酸化を介したシグナル伝達機構があると考えられる。NotchシグナルやLBP1,LBP2複合体の機能制御に、LRRK2キナーゼ活性が必要かどうか検討していく必要がある。また、LRRK2/LBP1/LBP2は、エンドソームに局在することが観察されたが、初期、後期、リサイクリングいずれのエンドソームで機能するかを今後解明していく予定である。
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Research Products
(17 results)