2011 Fiscal Year Annual Research Report
DISC1/Neuregulin-1とシナプス形成
Publicly Offered Research
Project Area | Generation of synapse-neurocircuit pathology |
Project/Area Number |
23110506
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 大輔 名古屋大学, 医学系研究科, COE特任講師 (00381997)
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Keywords | 統合失調症 / DISC1 / Neuregulin-1 / 小胞輸送 |
Research Abstract |
DISC1依存的Neuregulin-1の細胞内輸送メカニズムおよびシナプス形成 本年度に我々は、DISC1の新規抗体を作成し、細胞内および脳内での局在を再評価した(黒田ら、Human Molecular Genetics, 2011)。その結果、DISC1は神経細胞内でゴルジ体上に強く濃縮していた。DISC1と相互作用するNeuregulin-1も、前駆体型はゴルジ体に局在していることを明らかにした。我々は、Pro-Neuregulin-1は、ゴルジ体で修飾を受け、輸送小胞の形でゴルジ体からDISC1依存的に出芽し、細胞膜へと輸送されると仮説を立てた。Pro-Neuregulin-1の局在分布が、DISC1に依存的であるということを、DISC1ノックアウトマウス細胞を用いた解析によって明らかにした。DISC1およびNeuregulin-1の小胞輸送経路が、どのような分子群によって行われているかを推測するために、結合分子を網羅的プロテオミクスの手法によりスクリーニングした。 その結果、Pro-Neuregulin-1の輸送には、DISC1だけではなく、他の小胞輸送に関与する蛋白質の存在が示唆される結果となった。DISC1結合分子の中には、AP-1、AP-3、ARFGEF2、PACS-1などの小胞輸送に関与する分子が存在していた。同様にPro-Neuregulin-1に結合する分子についても、DISC1と共通する、小胞輸送に関与する分子を多数同定できた。現在は、これらの分子間結合および局在変化をモニターしながら、DISC1依存的なNeuregulin-1輸送メカニズム、Neuregulin-1の輸送・分泌から生じるシグナル伝達とシナプス形成機構の解明を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DISC1とNeuregulin-1の結合分子の探索により、小胞輸送における機能をある程度は明らかにすることが出来たものの、Neuregulin-1の輸送および分泌から生じるシグナル伝達とシナプス形成についてはまだ解析が不十分であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
質量分析によってスクリーニングされたDISC1およびpro-Neuregulin-1に結合する小胞輸送調節分子に関して、有力なものから、分子間相互作用を分子生物学的手法で調べる。次にその分子群を含めた輸送経路の同定およびNeuregulin-1の分泌から生じるシグナル伝達とシナプス形成についてもより研究を推進する
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Research Products
(1 results)