2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内Aβオリゴマーによるシナプス・細胞障害とtauとの相互作用
Publicly Offered Research
Project Area | Generation of synapse-neurocircuit pathology |
Project/Area Number |
23110514
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
富山 貴美 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (10305633)
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Keywords | 細胞内Aβオリゴマー / tau / シナプス障害 / 細胞障害 / モデルマウス |
Research Abstract |
本年度は、細胞内Aβオリゴマーとtauの相互作用を調べるためのモデルマウスの作製に着手した。すなわち、我々が作製したE693Δ変異APPトランスジェニック(Tg)マウスとこれも我々が作製した野生型および変異型tau-Tgマウス、さらにE693Δ変異APP-Tgマウスと外部機関から購入したtauノックアウトマウスとの交配を開始した。 E693Δ変異APP-Tgマウスは、8カ月齢より神経細胞内にAβオリゴマーを蓄積するとともにタウ異常リン酸化、シナプス消失、記憶障害を示し、24カ月齢でニューロン消失を示すマウスである。一方、野生型tau-Tgは24カ月齢でも何の病理も示さないが、変異型tau-Tgは6カ月齢よりタウ異常リン酸化、シナプス消失、記憶障害を示し、24カ月齢でプレタングル形成、ニューロン消失を示すことがわかった。そこで今回、E693Δ変異型APP-Tgx野生型tau-Tgマウスは6カ月齢で、E693Δ変異型APP-Tgx変異型tau-Tgマウスは4カ月齢で、病理を調べてみた。Aβオリゴマー蓄積(NU-1抗体)、タウ異常リン酸化(AT8抗体)、シナプス消失(シナプトフィジン抗体)は免疫組織化学により、記憶障害はモリス水迷路により測定した。その結果、野生型tau-Tg、変異型tau-Tgのいずれとの交配でも、Aβオリゴマーの蓄積、タウ異常リン酸化、シナプス消失が加速された。また、野生型tau-Tgとの交配では記憶障害も加速された(変異型tau-Tgとの交配の方はまだ結果が出ていない)。以上の結果より、細胞内Aβオリゴマーはtauと相互作用している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスの交配は順調に進んでおり、本年度、若い月齢での病理結果が得られたので。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、E693Δ変異APP-Tgx野生型および変異型tau-Tgのより加齢の進んだマウスにおいて、神経原線維変化やニューロン消失などの病理がみられるかどうかを検討する。また、E693Δ変異APP-Tgxtauノックアウトマウスの病理についても検討する。 後者のマウスについては、検討対象の月齢になるのが本年度の後半、あるいは本年度終了間近となるので、その間、tauノックアウトマウスから調整した初代培養ニューロンを用いて、in vitroで細胞内Aβオリゴマーとtauの相互作用を調べる予定である。
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