2011 Fiscal Year Annual Research Report
前シナプス膜とグリア膜直下のセプチン細胞骨格の破綻を伴う精神・神経疾患病態の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Generation of synapse-neurocircuit pathology |
Project/Area Number |
23110531
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木下 専 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30273460)
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Keywords | 細胞骨格 / 凝集体 / オートファジー / 神経変性疾患 / グリア |
Research Abstract |
エクソサイトーシス、オートファジー、蛋白質凝集体形成など普遍的な細胞現象におけるセプチン細胞骨格系の関与と、その異常が精神・神経疾患に及ぼす影響が明らかになりつつある。応募者らはセプチンの量的・質的異常が多面的な細胞機能障害を介してパーキンソン病(シヌクレイン病)における神経変性を加速・増悪する脆弱性因子となり得ることを示した(Neuron 2007)。その検証の一環として作製した小脳選択的セプチン欠損マウスでアミロイド小体様の凝集体が多発することを新たに見出し、これまでに解析した2か月齢~6か月齢の全個体で再現性を確認した。免疫組織化学により、欠損させたサブユニット以外のセプチン・サブユニットが全て凝集体構成成分として検出されたことから、コアサブユニットを失った複合体を中心とし、おそらく他の蛋白質(未同定)を巻き込んだaggresomeと推測される。この興味深い病理現象は、ヒトの神経変性疾患に随伴する変性病態のモデルとなり得るため、24年度においてはこのモデルマウスで見られる現象を分子(構成成分の網羅的解析、aggresome形成ないしオートファジー関連分子、蛋白質分解系分子、小胞体ストレス関連分子)から運動学習機能障害までのレベルで系統的に解析する。少数匹の予備的な解析ではあるが、ローターロッド試験による運動学習機能障害は顕著ではなく、代償されている可能性が高いため、加齢や薬理学的負荷の効果も併せて解析している。同様に、ドパミンニューロン選択的セプチン欠損マウスではドーパミン神経伝達障害、シヌクレイン代謝異常、レビー小体の再現が期待されるため、並行して作製を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度半ばに交付通知があったため、研究開始が遅れたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
分子メカニズム・行動解析の両面で研究を加速する。ドパミンニューロン選択的セプチン欠損マウスではドーパミン神経伝達障害、シヌクレイン代謝異常、レビー小体の再現が期待されるため、並行して作製・解析を進める。
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[Journal Article] Localization of septin proteins in the mouse cochlea2012
Author(s)
Yoshida A, Yamamoto N, Kinoshita M, Hiroi N, Hiramoto T, Kang G, Trimble WS, Tanigaki K, Nakagawa, T, Ito J
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Journal Title
Hearing Research
Volume: (in press)(未定)
Peer Reviewed
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