2012 Fiscal Year Annual Research Report
水素結合を利用した強磁性ニトロキシラジカル集積体の開発
Publicly Offered Research
Project Area | New Frontier in Materials Science Opened by Molecular Degrees of Freedom |
Project/Area Number |
23110724
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉岡 直樹 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30222392)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 有機ラジカル / 分子磁性 / 自己組織化 / 水素結合 / 磁気特性 / 構造磁性相関 / スピン整列 / ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機物のみからなる磁性材料の開発は、全く新しい有機機能材料の出現につながる基礎的かつ重要な研究課題である。本研究では、研究代表者が見出した“スピン整列を促す超分子シントン”をベースにラジカル分子に化学修飾を行い、その効果を精密な磁気物性評価から検証し、高性能な純有機ナノ磁性材料を構築することを目的としている。 平成24年度においては、インドール環を環拡張した誘導体の系統的な合成を完了した。合成した有機ラジカル結晶について各種分光学的測定および物理化学的測定を実施した。固体状態における磁気特性は、直流および交流SQUID磁束計を用いて評価した。直流モル磁化率の温度依存性からラジカル分子間の相互作用を詳細に議論した。また、X線構造解析より得られる結晶座標を用いてDFT計算を実施した。実験データとモデル式を非線形最小二乗法で解析し、磁気カップリングに関する各種パラメータを算出した。ベンゾ縮環した誘導体は、母骨格とは異なるカラム配列で結晶化した。新たな磁気軌道の接近様式が見出された。これは、複素環部位の電子的な効果であると考察した。さらに、SOMO同士の接近様式の調査より、接近距離に加え、ラジカルユニットのなす角度も大きく影響していることが明らかになった。 以上を総合して、水素結合部位としてインドール型ニトロニルニトロキシド一連の新規誘導体を合成し、水素結合様式と集積体の磁気特性を定量的に議論することで、高次元スピンネットワーク構築に適したラジカルの分子設計に必要な知見を蓄積することができた。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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