2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞運動と誘因場の不整合性が生み出す乱れと自己組織化のダイナミクス
Publicly Offered Research
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
23111506
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤井 哲 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (20500367)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 走化性 / 粘菌 / cAMP / 適応応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
粘菌細胞の集合は、静的なcAMP勾配ではなく、cAMPの動的な進行波への誘引によって引き起こされている。細胞が受ける空間的な勾配は常に一定ではなく、波が細胞を通過するごとに勾配の方向が反転してしまう。空間勾配を検知するだけでは、繰り返し反転する場に対して細胞は行ったり来たりしてしまい、一方向に進むことが難しいはずと考えられている。そこで、微小流路を用いて進行波刺激を再現する系を構築し、進行波の時空間スケールを任意に変えるなどして、進行波に対する細胞応答を詳細に解析することが可能とした。これを用いて、異なる進行速度のcAMP波に対する細胞応答を観察したところ、細胞の移動方向は波の速度に依存して変わることがわかった。刺激の通過が速い(2分未満)と細胞は空間勾配を認識できずに止まり、逆に遅い(10分以上)と、波の通過に合わせて細胞もUターンし波を追いかける。一方で、細胞は3分から10分で通過するcAMP波に対してのみ、波がやってくる方向へ一方向移動した。つまり、細胞は刺激時間が細胞応答の時間スケールと一致する適切な範囲でのみ、刺激のやってくる方向への一方向運動が可能だとわかった。さらに理論モデルを構築して調べたところ、進行波に向かう一方向運動を説明するには、細胞は空間一様な刺激に対して、刺激強度によって応答強度が決まる持続的な応答ではなく、適応的な応答をすることが必要であるとわかった。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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