2012 Fiscal Year Annual Research Report
時空間的に変遷するGABAA受容体作用による大脳皮質の層依存的な細胞移動の調節
Publicly Offered Research
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
23111510
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
熊田 竜郎 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00402339)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞移動 / 大脳皮質 / GABAA受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経細胞の移動に関与する細胞内カルシウムの変動に関与する。本研究課題では発達期の大脳皮質において異なる分布を示す内在性の GABAA 受容体のアゴニストであるGABA とタウリンが放射状に移動する神経細胞に対する作用について移動経路や場に着目して研究を発展させてきた。昨年度は下記に示す2項目について報告する。 タウリンを介する塩素イオンの変動と細胞移動の関係 GABAA 受容体応答は塩素イオン輸送体の発達に伴い興奮から抑制に変化する。我々は大脳皮質の移動細胞における細胞内塩素イオン変動の役割を調査するために子宮内電気穿孔法により成熟型塩素イオン輸送体であるKCC2を移動神経細胞に異所的発現させた。しかしながら、意外なことにKCC2はタウリンによりリン酸化依存的に機能抑制されていた。そこで、新たにタウリン依存性のリン酸化部位に変異を入れたKCC2を上記と同様に強制発現させたところ、興味深いことに、発現神経細胞で細胞内塩素イオンの低下を示すばかりでなく、放射状の移動に障害が現れることが分かった。これらの所見からタウリンはGABAA 受容体のアゴニスト・塩素イオン輸送体の調節物質の両者の性質を併せ持って動く細胞を調節していることが示唆された。 病態モデルにおける塩素イオンの変動と細胞移動の関係 神経回路形成過程の障害モデルである皮質凍結損傷による限局的皮質形成異常モデルを作成し、その異常皮質形成過程で一過性に1)異常皮質の構成細胞で KCC2の発現が低下すること、2)皮質損傷部位とその周囲に細胞外 GABAが高濃度となること、3)形成領域にある移動神経細胞でGABAA 受容体を介する細胞内カルシウム変動に変化をきたすこと、を見出し、異常皮質形成に GABAA 受容体シグナリングが関与する可能性を示唆した。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)