2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の集団的移動と接触阻害の分子メカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
23111511
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
榎本 篤 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20432255)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 集団移動 / 集団浸潤 / Girdin / 細胞運動 / 癌 / 神経芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では細胞の集団的移動と接触阻害を制御する分子機序、および癌細胞において接触阻害が破綻する仕組みを明らかにすることを目的としている。平成24年度までに以下の点について明らかにした。 (1)細胞の集団的移動のメカニズムの解明 以前、私達はアクチン結合分子Girdinのノックアウトマウスおよび変異体導入ノックインマウスにおいて、脳室下帯で新生した神経芽細胞の集団移動(chain migration)が顕著に障害されていることを示した。その集団的移動のメカニズムを明らかにするため、Girdinの結合分子を生化学的手法で探索したところ、ダイニンのintermediate chain(以下DIC)を同定した。一方Girdinの変異体マウスでは神経芽細胞のN-cadherinの膜への局在が異常を示すことを明らかにした。現在、Girdin/DIC間の結合がN-cadherinの局在を制御するメカニズムについて探索している。 (2)癌細胞の集団の先導細胞におけるインテグリンの発現制御機構 以前より私達が機能解析を進めてきた転写調節因子RFP (Ret Finger Protein)が、癌細胞の集団的移動を制御し得る分子であることを見いだしその機能解析を進めている。本年度までにRFPが細胞集団を先導する細胞(leading cell)において転写因子MRTFと結合し、両者の会合が特定のmiRNAの発現制御を介してインテグリンの発現を制御していることを示した。この結果に一致して、扁平上皮癌の臨床検体組織の免疫染色では、癌細胞の集団の先導細胞でRFPおよびインテグリンの高い発現が確認された。上記の結果は、細胞集団の先導細胞とそれを追随する細胞(following cell)において特異的な分子の発現制御機構が存在することを示唆する所見であり、今後その詳細な生物学的意義の解析を検討する必要がある。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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