2012 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球ー血管内皮細胞の相互作用に基づいた血液循環の成立機構を解明する
Publicly Offered Research
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
23111513
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯田 敦夫 京都大学, 再生医科学研究所, 助教 (90437278)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 血管 / 血球 / 接着因子 / ゼブラフィッシュ / 蛍光イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題はゼブラフィッシュをモデルとして、初期血管形成における一次造血赤芽球の役割を明らかにする目的で実施した。一次造血赤芽球と血管内皮細胞は隣接して移動・分化し、脈管系とその内部を循環する赤血球へと分化する。2011年度までに赤芽球で発現するインテグリン接着因子の機能が、隣接して進行する血管形成に重要であることを発見していた。それに加え2012年度は、赤芽球で発現して血管形成に作用する膜型プロテアーゼADAM因子を見いだした。これらの因子は赤芽球特異的に機能抑制すると血管形成に異常が生じたことから、赤芽球-血管内皮細胞の細胞間相互作用が重要であることが示唆された。 ゼブラフィッシュにおける最初の血管形成は「(1)背側大動脈の形成」「(2)腹側へ向けた内皮細胞の出芽・移動」「(3)後主静脈の形成」の順で進行する。トランスジェニックゼブラフィッシュを用いた蛍光組織観察により、インテグリン機能阻害は動脈形成にも異常が生じることから(1)より以前で作用しており、ADAM機能阻害は動脈形成後の細胞移動および管形成に異常を生じることから(2)と(3)の中間に作用点があることが示唆された。このことからインテグリンとADAMは、それぞれの異なる時間的制御で赤芽球-血管内皮細胞の相互作用に寄与していると考えている。 具体的な作用機序としては、インテグリンは赤芽球と血管内皮細胞間の細胞接着を形成し、お互いを足場とした細胞移動に寄与していることが考えられる。ADAMはこれらの接着の解除、もしくは膜型成長因子の細胞外切断などに関わっていると考えられる。ADAMについては哺乳類オーソログを用いた生化学的解析の先行研究を参考とし、接着因子をより有力な候補として検証を行なってる。各々の因子の分子メカニズムを明らかにした時点で論文発表を行なう予定である。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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