2012 Fiscal Year Annual Research Report
アメーバ運動の“力”による細胞の自律的な前後極性形成メカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
23111519
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岩楯 好昭 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40298170)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 粘菌 / 細胞遊走 / ケラトサイト / 白血球 / アメーバ運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
自律的な秩序形成機構は生物の大きな特徴であり、発生や生物時計などの個体レベルだけでなく、細胞レベルでも見られる。白血球(好中球)や神経細胞の成長円錐などが示すアメーバ運動はその好例で、細胞は、外部の因子が無くても、自分の前後極性を自ら形成し、方向を決めて運動することができる。 細胞内のシグナルを伝達する媒介として、最近、“力”が注目を集め始めている。我々は、細胞が這うために基質に及ぼす牽引力の反作用そのものがシグナルとなり、ミオシンⅡを介して、運動の前後極性を生み出している可能性を見いだした。本研究では、粘菌アメーバで、(1)基質牽引力の反作用の強い箇所にミオシンⅡが集積すること、(2)ミオシンⅡが集積した箇所では仮足形成が抑制されること(3)その結果細胞は牽引力の小さい方向に進むこと、(4)この前後極性形成にはミオシンⅡのATPaseは必要ないことを明らかにした。また、本研究の過程で、遊走細胞を基質から脱離すること無く、しかも顕微鏡下で観察しながら、直接エレクトロポレーション可能なエレクトロポレーターを開発した。 細胞は基質さえあればアメーバ運動できるので、粘菌アメーバで発見されたこの基質牽引力に基づく前後極性形成機構はアメーバ運動の最も根本的な前後極性形成機構である可能性が高い。この機構は粘菌のみではなく他の細胞に見られる“普遍的な”機構ではないかと期待される。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Myosin-II-Mediated Directional Migration of Dictyostelium Cells in Response to Cyclic Stretching of Substratum2013
Author(s)
Iwadate, Y., Okimura, C., Sato, K., Nakashima, Y., Tsujioka, M. and Minami, K
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Journal Title
Biophysical Journal
Volume: 104
Pages: 748-758
DOI
Peer Reviewed
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