2011 Fiscal Year Annual Research Report
浸潤リンパ球による炎症巣形成過程のインビボライブイメージング解析
Publicly Offered Research
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
23111520
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
長谷川 明洋 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80376376)
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Keywords | アレルギー / 炎症 / リンパ球 / イメージング / 喘息 |
Research Abstract |
本研究では肺組織内での細胞の動き・ゆらぎと細胞間相互作用の形成による炎症巣の場の決定メカニズムを解明することを目的として、独自に開発したマウス肺内in vivo live imagingシステムを用いて解析を行い、今年度に以下の結果を得た。 1.Th2細胞の集積とfocus形成を制御する因子の同定 OVA特異的Th2細胞を移入し、気道炎症誘導前後に接着分子やケモカインに対する抗体を投与してTh2細胞集積やfocus形成に対する効果を調べた。その結果、ICAM-1やVCAM-1に対する抗体を投与しておくとTh2細胞集積やfocus形成が抑制されることが明らかとなった。 2.マウス肺内in vivo live imagingシステムによる喘息肺でのリンパ球の動的挙動解析 独自に開発したマウス肺内in vivo live imagingシステムを用いて、喘息肺での種々の機能的T細胞サブセットの肺内ダイナミクス解析を行った。抗原特異的Th2細胞のほか、Th1、Th9、Th17細胞などの違った機能サブセットを用いて移入実験を行い、浸潤様式の差異を解析した。 3.ナイーブT細胞とエフェクターT細胞の浸潤の動態比較 OVAプライミングの必要性に関して、OVA免疫したCD4T細胞、OVA免疫しなかったCD4T細胞、OVA特異的ナイーブCD4T細胞をそれぞれ調製し、抗原吸入後の浸潤の動態を比較検討した。その結果、エフェクターT細胞のみが抗原吸入後に肺に集積し、ナイーブT細胞は集積しないことが明らかになった。 4.抗原提示細胞による抗原取り込み過程の時間的定量的解析 GFP陽性の樹状細胞を移入し、異なる色で蛍光標識した抗原分子を吸入させて肺組織内で抗原を取り込む過程の時間的定量的解析を行った。その結果、樹状細胞は抗原吸入20分後には抗原分子の取り込みを開始することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究の目的を達成するため研究実施計画に従って研究を遂行し、計画通りに研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのところ、本研究課題は当初の研究計画通りに進んでおり、次年度も研究実施計画に従って研究を推進していく予定である。
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