2012 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞の3次元での動きを制御する分子ネットワークとその時空間ダイナミクス
Publicly Offered Research
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
23111522
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福井 宣規 九州大学, 生命防御医学研究所, 教授 (60243961)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞運動 / 遺伝子改変マウス / シグナル伝達 / 低分子量Gタンパク質 |
Research Abstract |
細胞運動は、膜の極性化と細胞骨格のダイナミクスを必要とする最も基本的な細胞機能の1つであり、2次元での解析結果から、RacやRho、脂質キナーゼやホスファターゼといったシグナル分子の時空間制御の重要性が指摘されてきた。しかしながら近年、3次元での細胞運動に特異的に必要とされるシグナル分子が同定されるに至り、新たなパラダイムの構築が急務となっている。本研究は、DOCK8を欠損した樹状細胞では、3次元環境下での遊走が特異的に障害されるという申請者の知見を基に、その制御機構を解明することを目的とする。このため本年度は、以下のような研究を行い、研究の進展につながる成果を得た。 1.T細胞や好中球を用いて遊走実験を行い、これらの細胞においても、DOCK8欠損により3次元環境下での遊走が障害されることを確認した。 2.レトロウイルスベクターを用いて、Lifeact-GFPやミオシンL鎖-GFPを、DOCK8欠損細胞に発現させることに成功した。 3.プルダウン法で解析する限り、DOCK8欠損樹状細胞でも、Cdc42の活性化は正常におこることを見いだした。これは恐らく、他のGEFにより、DOCK8欠損の影響が機能的に代償されているためだと考えられ、空間情報を加味した研究の必要性が示唆された。 4.DOCK8の発現を欠く細胞株に、HAタグを融合させた野生型DOCK8およびその欠失変異体を発現させたトランスフェクタントを樹立し、DOCK8の局在や機能に重要なドメインを同定した。
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Research Products
(5 results)