2012 Fiscal Year Annual Research Report
血管のトランスポジション現象をひき起こす血管ー体節ー内胚葉間相互作用
Publicly Offered Research
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
23111523
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐藤 有紀 熊本大学, 大学院先導機構, 助教 (90508186)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞外基質 / 上皮細胞 / 仮足形成 |
Research Abstract |
血管は循環器としての機能を果たしながら、ネットワークパターンをリモデリングすることが知られている。個々の血管内皮細胞の動態を制御する分子機構はかなり詳細になっている。その一方で、実際の個体内において血管がその内腔構造を保ったままパターンを変化させる現象のしくみは謎である。本研究は、背側大動脈がからだの側方から正中軸方向へ向かって位置を変化させるトランスポジション現象のメカニズムを理解するため、血管がからだの決まった位置に形成されるしくみを血管内皮細胞と周囲の組織(体節、内胚葉)とのクロストークから明らかにしようとしている。前年度までの研究により、背側大動脈のトランスポジションの時期に、近傍の体節上皮細胞が背側大動脈の移動する方向にかってアクチン細胞骨格からなるフィロポディア様の長い仮足を形成することが判明している。仮足形成を特異的に阻害すると、背側大動脈のトランスポジションが正常に起こらなくなる。また、体節上皮細胞の伸長も正常に起こらなくなることから、フィロポディア仮足が体節および背側大動脈の細胞挙動に重要な役割を果たしていることが分かった。平成24年度は、仮足においてどのような相互作用が起こっているのかを詳細にするため、細胞外基質フィブロネクチンに着目し、仮足との相互作用の有無、そこで機能している分子群の解明を試みた。体節上皮細胞の基底膜におけるフィブロネクチンの蛍光標識およびタイムラプス観察に成功し、仮足とフィブロネクチンが生体内において共局在していることを見いだした。また、shRNA法による遺伝子機能阻害実験により、フィブロネクチンの特徴的な柱状の分布には、仮足の先端に局在するIntegrinB1, Talinが必要であることが分かった。以上の実験から、仮足が体節上皮細胞の足場としてoutside-in/inside-outの相互作用を担っている可能性が強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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