2011 Fiscal Year Annual Research Report
動く細胞の情報プロセスによって、ゆらぎから生起する秩序の情報論的な解明
Publicly Offered Research
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
23111531
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
柴田 達夫 独立行政法人理化学研究所, フィジカルバイオロジー研究ユニット, ユニットリーダー (10359888)
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Keywords | 細胞運動 / 走化性 / 自発運動 / 確率モデル |
Research Abstract |
(1)細胞運動の統計的・時系列的解析と確率モデルの構築 細胞性粘菌の走化性が示す運動の基本的な機構は、細胞の外部に化学勾配がある、なしにかかわらず、それほど大きな差がないと考えられる。化学勾配下では、その機構が何らかの形で方向性を持ち、走化性を実現する。そこで本研究ではまず始めに化学勾配の無い一様環境下における方向性の無い一様な運動を解析することで、運動の基本的な性質を解明し、それをもとにして走化性運動を理解することをめざしている。 本年度は空間的に一様な環境下において、細胞性粘菌の自発的な形態変化と運動の解析を行った。そのために細胞運動の画像解析に細胞輪郭を抽出し、さらにその動態を統計的に解析した。また、細胞運動の複雑な動態を粗視化して比較的少数の自由度で記述する方法を考案した。これらの結果から、細胞運動を表わす確率モデルの構築に目処がついた。 (2)シグナル反応から細胞・形態まで考慮した細胞の統合モデル構築 統計的にもっとも妥当な勾配認識のモデルを用いて、ゆるやかな化学勾配の認識に関する理論的な考察を進めた。細胞の形態に依存して、かならずしも正しい方向に勾配を認識しないことがわかった。また、細胞の形態に依存して、化学勾配の方向を認識するのが得意な場合のあることがわかり、細胞がよく示す形態から細胞が細胞外の化学勾配のどのような性質を推定しているのかに関する考察をすすめることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一様な環境下における自発的な運動に関する実験、定量的データ解析、数理モデル化についてほぼ目処がついた。また、細胞外部の化学勾配についても生成の目処がついた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は勾配環境下において、細胞運動の顕微画像の取得、また、シグナル分子やアクチンの蛍光観察を進めていく。それにもとづいて、自発的な運動の確率モデルのどの過程が方向性にかかわるのかを解明する。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] リズムと生物学2011
Author(s)
柴田達夫
Organizer
RIMS研究集会第8回生物数学の理論とその応用
Place of Presentation
京都大学数理解析研究所(招待講演)
Year and Date
2011-11-16
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