2011 Fiscal Year Annual Research Report
造血におけるニッチ間の造血幹細胞・前駆細胞の時間空間的挙動の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
23111536
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長澤 丘司 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (80281690)
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Keywords | 脊髄 / ニッチ / ケモカイン / 造血幹細胞 / Bリンパ球 |
Research Abstract |
1、dHSC、aHSCの可視化と特異的ニッチ間の挙動の解明。細胞周期が特に長いdormant HSC(dHSC)の局在は世界的に明らかでないが、私たちは、その局在を検討するためのBrdU投与後の免疫染色による可視化に成功した。ヒストンH2Bを標識する方法についてはマウスの準備を進めた。また、細胞周期を抑制する可能性のあるサイトカインの発現頻度をCAR細胞一細胞ごとのRT-PCRによるmRNAの定量により解析し、発現細胞を可視化するための蛍光蛋白遺伝子ノックインマウスの作製を進めた。 2、赤血球前駆細胞、Bリンパ球前駆細胞の可視化と特異的ニッチ間の挙動の解明。私たちは、造血幹細胞の分化による血球系列決定や分化の進行の調節と細胞の局在・移動との相関を解析した。赤血球とBリンパ球前駆細胞特異的マーカー遺伝子座にGFP蛍光色素遺伝子を挿入したマウスを用いた免疫染色により系列決定直後から各分化段階の赤血球前駆細胞とBリンパ球前駆細胞を区別して可視化することができた。 3、造血幹細胞・前駆細胞のニッチ間の挙動を再現する培養系の樹立。世界的に骨髄の造血ニッチ細胞は培養できておらず、主要なニッチ細胞であるCAR細胞も、フローサイトメトリーで純化・分離すると従来の骨髄細胞の試験管内培養法では培養できない。私たちは、培養条件を検討することにより増殖するCAR細胞の頻度を上げることに成功したが未だ培養系の樹立には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
造血幹細胞・前駆細胞の可視化が確認され、造血におけるニッチ間の造血幹細胞・前駆細胞の時間空間的挙動の解明に向けた変異マウスの作製など研究が順調に進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の研究を継続することにより、骨髄での造血に伴う造血幹細胞・前駆細胞のニッチ間の時間空間的な動きとその制御機構を解明することをめざす。
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Research Products
(8 results)