2012 Fiscal Year Annual Research Report
色素細胞の表皮内空間配置とメラニン色素輸送のメカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
23111537
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田所 竜介 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50425633)
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Project Period (FY) |
2011-07-25 – 2013-03-31
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Keywords | メラニン / 色素細胞(メラノサイト) / 表皮細胞(ケラチノサイト) / 色素輸送 / 膜小胞 |
Research Abstract |
平成24年度は、研究計画に従って、メラニン色素の輸送体である膜小胞がどのような分子機構によって放出されるのかについて、主に2-1-1)色素細胞内および2-1-2)表皮細胞からの誘導機構に注目して解析を行った。2-1-1)細胞内からのアプローチとして、色素細胞において細胞骨格の制御因子を操作し、小胞の放出に与える影響を観察した。その結果、Rhoの活性の抑制により、小胞の放出が抑えられることを見出した。この結果を発展させ、小胞が表皮の色素沈着に与える影響を調べた。平成23年度の空間配置の解析時に確立した手法を用いて、胚内の大部分の色素細胞においてRhoの活性を抑えた結果、若干ながら表皮の色素が減少した(有意差あり、さらに検証の必要あり)。これより小胞がメラニンの輸送体であることを実験的に確認し、そしてその貢献度を調べることに成功した。この結果から、他の輸送法も平行して色素輸送に働く可能性を推測し、本格的に色素輸送現象の網羅的同定に努めた。結果、本研究で主に取り扱ってきた小胞(microparticles)に加え、糸状仮足による輸送、樹状仮足の先端が切れて輸送されるという現象の存在を確認した。2-1-2)ヒトの日焼け過程において表皮で発現する因子を、トリ表皮に発現させ、色素沈着を亢進させる因子を明らかにした。この因子により、どの程度小胞の放出に増幅がみられるのかについてはまだ検証中だが、3種類のうち他の輸送を促進する可能性が見出されつつある。ちなみにここで用いた表皮細胞と色素細胞を別個に遺伝子操作する手法は、本研究計画により改良を重ね実用化した方法である(近く論文投稿)。最後に、2-2)この手法を用いて色素細胞と表皮細胞の細胞膜を別々の蛍光タンパクで標識して、膜小胞の取り込みを観察することにより、膜小胞が貪食により取り込まれることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)