2011 Fiscal Year Annual Research Report
光応答性分子集合カプセルの構造・機能制御
Publicly Offered Research
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
23111707
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小林 健二 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (40225503)
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Keywords | 超分子化学 / 分子自己集合 / カプセル / 分子認識 / 光応答性 |
Research Abstract |
分子集合カプセルの開閉(解離-形成)制御をクリーンな光刺激によって達成した系は殆どない。本研究では、申請者等が見出した分子自己集合性キャビタンドカプセルと光応答部位(アゾベンゼン)との融合を図り、分子集合キャビタンドカプセルの開閉(及びゲストの放出-包接)や物性を光によって制御することを目的として研究を行った。 1.アゾデンドロン側鎖を有するレゾルシン環状四量体の光応答性分子集合キュービックカプセル 水素結合によって六量体カプセルを形成するレゾルシン環状四量体の側鎖にアゾデンドロンを導入したホスト分子1a,1bの合成に成功した。そして、ホスト1の側鎖アゾベンゼン部位の紫外光によるトランス→シス異性化によるカプセル解離(分子間での側鎖同士の立体反発)と、可視光によるシス→トランス異性化によるカプセル再形成(側鎖同士の立体反発解消)によって、カプセルのON/OFF制御を行うことを検討した。その結果、アゾベンゼン部位のパラ位にOCH_2を介して第2世代ベンジルデンドロンを導入したホスト1aでは、シスに異性化したときに立体反発不足でカプセル解離は起こらなかったが、アゾベンゼン部位のメタ位に直に第2世代ベンジルデンドロンを導入したホスト1bでは、予備的知見として、シスに異性化したときに立体反発によってカプセル解離が誘発され、包接ゲスト分子が放出されることがわかった。また、トランスに再異性化させると、カプセルが再形成されてゲストを再包接することがわかった。 2.ピリジルキャビタンドとアゾデンドロンイソフタル酸リンカーから成る光応答性分子集合カプセル 今年度は、研究実施計画通り、アゾデンドロンイソフタル酸リンカー3a~cの合成を達成し、ピリジルキャビタンド2とのゲスト包接カプセル2(2)・4(3)が組み上がることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
テーマ1に関しては、今年度計画はホスト分子の合成とカプセル形成の確認を狙いとしたが、結果的には、予備的知見として、ホスト分子1bに関して、紫外光照射によってカプセル解離とゲスト放出、可視光照射によってカプセルの再形成とゲストの再包接まで実証することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
テーマ1に関しては、今年度見出したホスト1bの修飾も含め、さらに、様々なアゾデンドロンを導入したホスト分子を合成し、光刺激によって分子集合カプセルの開閉(解離-形成)およびゲスト分子の放出-包接の制御能力を向上させること目的とする。そして、紫外光-可視光照射時間に対するカプセルのゲスト包接率の精査等を検討する。 テーマ2に関しては、光刺激によって分子集合カプセルの開閉(解離-形成)およびゲスト分子の放出-包接を実証する。
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[Journal Article] Bis (methylthio) tetracenes : Synthesis, Crystal Packing Structures, and OFET Properties2011
Author(s)
T.Kimoto, K.Tanaka, M.Kawahata, K.Yamaguchi, S.Otsubo, Y.Sakai, Y.Ono, A.Ohno, K.Kobayashi
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Journal Title
J.Org.Chem.
Volume: 76
Pages: 5018-5025
DOI
Peer Reviewed
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