2012 Fiscal Year Annual Research Report
錯体ホストと高分子ゲストとの空間相互作用を活用した創発機能
Publicly Offered Research
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
23111709
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
植村 卓史 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50346079)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 多孔性金属錯体 / 高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノサイズの細孔構造を有する多孔性金属錯体(MOF)は、従来の多孔性物質(シリカ、活性炭)とは異なり、構成ユニットである金属イオンと有機配位子との組み合わせを考慮することで、細孔の性質を自在に制御することが可能になります。このようなMOFのナノ細孔は鎖状の高分子化合物がちょうど一本から数本程度で包接される大きさであるので、高分子集積の場として用いれば、細孔の性質(例えばサイズや表面状態)に応じて、高分子鎖の配列、配向、集積数などを精密に制御できます。これにより、金属錯体と高分子をナノレベルで自在に複合化することが可能になり、それぞれ単独では見られない全く新しい機能(創発機能)の発現が期待されます。 例えば、MOFのナノ空間にポリエチレングリコールと呼ばれる高分子を導入すると、MOFの細孔サイズや表面状態に応じて、高分子の運動挙動が大きく変化し、通常の絡み合った高分子鎖の集合体とは全く異なる挙動を示しました。また、最近では、電気を流す特性や蛍光を発する特性を持つ高分子をMOFのナノ空間内に閉じ込めることで、これらの物性の増大やスイッチングが可能になる材料の創製もできました。更には、ペプチド分子をMOFに導入した複合体は、細孔からのペプチド分子の放出を駆動力として水上を運動する新しい化学モーターとして機能することが明らかになりました。これらの結果から、MOFの細孔内に高分子を閉じ込めることで、新たな機能を創発できることが分かり、今後のナノ材料を創製するための基盤として有効に活用できるものと期待されます。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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