2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子の空間制御集積化を基軸とする動的金属錯体ナノシステムの創発
Publicly Offered Research
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
23111711
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平尾 俊一 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90116088)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ペプチド / 集積型錯体 / 自己組織化 / 不斉組織体 / 発光特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高次構造および不斉会合特性を有する生体分子を土台分子として着目し、発光特性や触媒能を有する機能性金属錯体を集積化することにより、本来の機能物質の機能を越えた、または全く別の機能を有する生体分子の空間制御集積化を基軸とする動的金属錯体ナノシステムを創発することを目的とする。本年度は、カチオン性あるいはアニオン性の側鎖を有するポリペプチドへ、静電相互作用に基づく発光性分子の導入を行い、機能創発的な発光挙動に関して検討を行った。 超純水中において、カチオン性のアンモニウム側鎖を有するピレン誘導体 Pyr(CH2NH3Cl) を静電相互作用に基づいてポリグルタミン酸 (P(Glu)) へ導入し、創発的機能について検討を行った。Pyr(CH2NH3Cl) に対してGluユニットの割合が大きくなるほど、CDスペクトルにおいて、Pyr(CH2NH3Cl)の吸収付近のコットン効果が増加した。Pyr(CH2NH3Cl) が不斉環境に存在することを示しており、P(Glu) と錯形成していることを示唆するものである。また、発光スペクトルにおいて、P(Glu)の割合が増大するとエキシマーの発光強度が増大した。Pyr(CH2NH3Cl) がP(Glu) の疎水的な場に内包されて、ピレン同士の相互作用が可能になったと考えられる。このことから、アニオン性の側鎖を有するP(Glu) がカチオン性の機能性分子の機能創発的な集積化における効率的な土台分子として機能していることが明らかとなった。また、カチオン性の側鎖を有するポリリシンも、ピレン誘導体の機能創発的な集積化における効率的な土台分子として機能することが明らかとなった。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)