2012 Fiscal Year Annual Research Report
有機/無機ナノ接合におけるゆらぎ特性の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
23111713
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 亮 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (20343741)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 単分子接合 / ゆらぎ / 単分子エレクトロニクス / 有機/無機接合 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機/無機接合が示す電気特性のうち、確率共鳴現象などへの活用が期待されているゆらぎ(ノイズ)特性を評価するため、有機/無機接合の素要素である有機分子一つが電極に架橋した単分子接合の電気伝導特性とノイズを測定することを目的としていた。 まず、目的を達成するため、単分子接合を安定して測定可能な測定装置を作製した。室温にて電極を精密に破断することで単分子接合を作製する装置を開発し、単分子接合が特徴的な二値間を数十Hz程度で行き来するテレグラフタイプのノイズを示すことを明らかにした。また、このノイズに加え、数kHzにおよぶ1/fタイプのノイズを示すことを明らかにした。 これらの特性は電極構造や電極/分子接合部の構造変化に由来すると考えられる。構造変化の活性化エネルギーをしるために、温度を変化させることのできる装置を開発した。極低温(4K)まで冷却可能なクライオスタットに取り付けることが可能で、1E-5Paの環境下でも動作する装置を設計、試作した。通常、真空チャンバー外部から粗動機構を機械的に連動させるが、熱流入やより簡便な取り扱いを可能とするため、ピエゾステップモーターを利用することで、機械的接点のない小型装置を実現した。動作テストでは、数十K程度までの冷却が可能で、動作も予定通り行うことができた。 ノイズと伝導機構の関係に関しての知見をえるため、有機薄膜トランジスタや太陽電池を利用したノイズ測定を試みた。ゲート電圧印加に伴いノイズ特性(電流増加にともなうノイズ強度の増加率)が変化した。この変化は、伝導機構が拡散電流から空間電荷制限電流に変化したことにより説明できる成分と、さらに過剰な成分からなっていた。さらに過剰な成分は、有機薄膜内部での伝導経路がパーコレーション的なネットワーク構造をしていることに帰属可能であることがわかり、ノイズ特性により伝導機構を議論できることが分かった。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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