2012 Fiscal Year Annual Research Report
非線形化学振動子のネットワークによる自己組織化の分子制御
Publicly Offered Research
Project Area | Emergent Chemistry of Nano-scale Molecular System |
Project/Area Number |
23111715
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中田 聡 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50217741)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 非線形振動子 / 非平衡系 / モードスイッチング / 同調現象 / 分岐 / 界面 / 自律運動 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
非線形振動子は線形振動子と異なり、複数の振動子間でリズムを揃える同調現象や振る舞いが変化する分岐現象など多くの特徴的な現象を示す。非線形振動子を化学系で構築する場合、反応―拡散の速度バランスに依存したマクロな観点と、分子構造に依存したミクロな観点の両方からシステムをデザインすることができる。本研究では、自己組織化現象として、多様に時空間発展する化学反応系を双方の観点から創発することを目的として研究を行った。 本研究では、表面圧(π)-分子占有面積(A)曲線に極大値と極小値を持つN-acyl-p-nitroaniline (CnANA)単分子膜上に、自律運動を示す樟脳円板を浮かべ、π-A曲線に依存した自律運動系を創発した。 その結果、C18ANAのπ-A曲線に依存して3つの濃度領域で特徴的な運動様相を示した。低濃度領域ではπ-A曲線は可逆的でランダム運動を示した。その運動速度は表面圧に依存し、表面圧極大値では停止した。それ以上の濃度では不可逆過程に入り、表面圧極小値では、円形のある面積の空間を振動した。そして極小値以上の濃度では一次元的な往復運動が見られた。これらの表面圧に依存した運動様相を考察するために、膜の不可逆性を赤外分光法と紫外分光法による分子間相互作用の評価により解明した。前者ではANA分子間の水素結合を、後者ではフェニル基のππスタッキングを検出した。またANA分子のアシル鎖長を変え、π-A曲線、樟脳運動、及び分子構造との関係を空きあらかにした。これらの結果に基づいて数値計算による再現を行うとともに、運動メカニズムについてミクロ(分子間相互作用、他のC18ANA分子膜)とマクロ(運動様相)の見地から議論した。その他、樟脳運動のネットワーク化による同調運動の運動モードスイッチングについても実験的に明らかにした。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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