2011 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍血管と微小環境との相互作用の解明とその分子機構を標的とした治療法開発
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative Research on Cancer Microenvironment Network |
Project/Area Number |
23112501
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
樋田 京子 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 特任准教授 (40399952)
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Keywords | 腫瘍血管 / 血管新生 / 幹細胞 |
Research Abstract |
1) 培養上清中のサイトカイン解析 in vitroにおける腫瘍細胞―血管内皮細胞, ならびに他のがん間質細胞―血管内皮細胞間の相互作用を解析するために腫瘍細胞やがん線維芽細胞の培養上清を0.22umfilterを通過させ回収し培養上清とする.NECを培養上清により処理後,TECマーカーなどの遺伝子の発現変化を解析した.がんの培養上清中のVEGFにより血管内皮の膜トランスポーターの発現が上昇することが見出され,その阻害が血管新生阻害療法の治療効果を改善するのに効果的であるとするデータを得た. 2) がんの培養上清による血管内皮のmiRNAの発現変化 がんの培養上清による血管内皮の遺伝子発現変化については,それががん由来のmiRNAや遺伝子の取り込みによるものなのか,血管内皮側の転写亢進によるものかなどを検討する.そのためにわれわれがすでに分離している,マウスの正常血管内皮細胞とヒトがん細胞を用いる.種特異的なprimerを設計し,血管内皮において発現の変動したmRNAやmiRNAの変動をマウス,ヒトそれぞれのprimerを用いて検討をおこなう.高転移性の腫瘍に特異的なmiRNA Xを同定した. miRNA Xのmimicを正常血管内皮細胞に導入することで、腫瘍血管内皮細胞が持つ特異性の一部が再現されるかどうかを検討した.正常血管内皮細胞の運動能に変化がおこり,また遺伝子発現も運動能に関与する分子の発現が変化した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の大半を実施することができ,論文発表もできた.また,投稿準備中の論文としてさらに成果をまとめることができている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究の進行とともに新たに見出された知見を当初の研究計画にくみあわせながら,がん微小環境内における血管の多様性,さらにそのメカニズムを解明する予定である.血管側から腫瘍細胞への影響といった視点からも解析を進めたい.
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