2012 Fiscal Year Annual Research Report
癌微小環境因子としてのプロトンならびに脂質分子とリゾ脂質受容体
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative Research on Cancer Microenvironment Network |
Project/Area Number |
23112503
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岡島 史和 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (30142748)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | リゾホスファチジン酸 / プロトン感知受容体 / 癌微小環境 / 膵臓癌 / MMP / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
LPAや細胞外プロトンの微小環境因子としての役割について解析した。ヒト膵臓癌細胞YAPC-PDをヌードマウス腹腔内に投与すると3~4週間で腹膜播種、腹水中のMMP-9、MMP-2の発現を伴って、肝臓や肺への転移・浸潤が観察される。経口投与可能なLPAアンタゴニストKi16198は、いずれの応答も抑制した。今年度ではMMPに依存して産生される血管透過性因子VEGFについても解析した。その結果、(i)ヒト膵臓癌細胞を投与したマウス腹水中に多量のVEGFの存在が認められたが、抗体の反応性から大半は宿主のマウス由来のものであった。この応答もKi16198 で著明に抑制された。(ii) 腹水中ではMMP-2、MMP-9の前駆体、活性化型のいずれも検出され、Ki16198で著明に抑制されたのに対して、in vitroの膵臓癌細胞からはMMP-2、-9のいずれも産生しているが、LPAならびにLPAアンタゴニスト感受性を示したのはMMP-9のみであり、いずれも活性型は観察されなかった。(iii) in vitroの膵臓癌細胞からLPAならびにLPAアンタゴニスト感受性のVEGF産生が観察されるが、その程度は腹水と較べると極めて少量であった。以上の結果から、膵臓癌細胞から放出されたMMPを活性化する酵素(たとえば、プラスミン)はおそらく宿主由来であり、この活性化酵素の制御にもLPAの関与が示唆される。また、腹水中のVEGFはマウスECMに貯蔵されているVEGFがMMPによって放出されたと推定される。プロトン受容体を介した腫瘍の制御に関する解析では、マウス由来癌細胞 (B16-F1、LLC1)をマウス皮下に接種した解析からTDAG8欠損マウスでは腫瘍形成を抑制する傾向なのに対し、GPR4欠損マウスではほとんど変化しないという結果が得られている。今後、更なる検討が必要である。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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