2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規炎症関連因子ANGPTL2による癌の発症・浸潤・転移の分子機構解明
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative Research on Cancer Microenvironment Network |
Project/Area Number |
23112516
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
遠藤 元誉 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (40398243)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ANGPTL2 / 癌浸潤・転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではANGPTL2の癌細胞に対する作用機序や癌細胞周囲の微小環境におけるANGPTL2の役割を解明することを目的とし、前年度までにANGPTL2は分泌タンパクであり、パラクライン的に作用し血管内皮細胞の遊走能を高め、血管新生を惹起する因子であること、分泌されたANGPTL2はオートクライン的に癌細胞自身にも働き、癌細胞の浸潤・転移に関与していることを明らにした。本年度は、まず肺癌患者における血中ANGPTL2濃度と肺癌の病期ステージとの関連について解析した。癌細胞が原発巣にとどまらず、周辺他臓器に浸潤、遠隔他臓器に転移したいわゆる進行癌症例では、血中ANGPTL2値が高値であった。また、乳癌患者の治療(手術、化学療法)前、治療後の血清ANGPTL2値を測定し、血清ANGPTL2値の変化について検討を行った。検討した症例数は少なかったものの、手術、化学療法にて、癌が縮小した症例では血清ANGPTL2値は治療前と比較して低下していることが明らかとなり、血清ANGPTL2値が癌進行の指標となる可能性が示唆された。今後は、症例数を増やし、血清ANGPTL2値と癌の進行度との関連についてさらなる検討が必要であると思われる。また、ANGPTL2機能活性を抑制する中和抗体の選別を行った。申請者は、保持している9種類の抗ANGPTL2抗体を用いて、ANGPTL2タンパク添加による乳がん細胞株(MB231)の遊走能が抑制されるかどうかを検討した。9種類の抗体のうち、2種類の抗体にてMB231の遊走能抑制が観察された。今後は、In vitro実験によって得られたこれら2種類の抗体を用いて、マウス担癌モデルを用いて、実際に腫瘍進展(転移・浸潤)抑制効果が得られるかどうか、検討が必要であると思われる。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)