2011 Fiscal Year Annual Research Report
腹膜播種におけるがんと腹膜の相互作用
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative Research on Cancer Microenvironment Network |
Project/Area Number |
23112524
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
堺 隆一 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (40215603)
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Keywords | スキルス胃がん / 間質線維芽細胞 / がん浸潤 / 腹膜播種 / 細胞外基質 / 共培養 |
Research Abstract |
スキルス胃癌はびまん性増殖浸潤、線維性間質の増生を特徴とし、腹膜播種性転移を高頻度にきたす。これらスキルス胃癌の進展において間質線維芽細胞や腹膜中皮細胞との相互作用がもたらす微小環境が重要な役割を果たすと考えられているが、その生物学的機構については不明な点が多い。そこで本研究では、まずスキルス胃癌細胞44As3の浸潤におけるスキルス胃癌由来線維芽細胞(CaF)の役割について解析を行った。44As3とCaFを3次元マトリゲル上で共培養すると、両細胞からなる特徴的な浸潤性の細胞凝集塊が形成された。この細胞凝集塊においてCaFは浸潤先端を含む中心部に、44As3はその周りに存在していた。タイムラプスイメージングにより、細胞凝集塊の形成に伴い広範に細胞外基質のリモデリングが起こる様子が観察された。 この細胞外基質リモデリングの機構をより詳細に解析するため、蛍光ゼラチンでコートしたカバーガラス上で両細胞を共培養した。その結果、CaFはゼラチンマトリックスの破壊を軽度に起こすが、44As3との共培養によりこの活性が顕著に促進されることが明らかになった。一方、44As3のみの培養ではゼラチンマトリックスに変化は認められなかった。また、CaFの収縮能を阻害するミオシン阻害剤で処理すると、両細胞によるゼラチンの破壊や3次元マトリゲルの浸潤が抑制された。同様にSrcキナーゼの阻害剤もこのような細胞外基質のリモデリングを阻害した。以上の結果から、スキルス胃癌細胞は、線維芽細胞との相互作用により細胞外基質の物理的なリモデリングを行い、これが浸潤性に寄与することが示唆された。相互作用の詳細なメカニズムについて解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腹膜播種の過程に関わる胃壁への浸潤、腹膜への接着と浸潤、の両過程について共培養系の条件を検討し、その相互作用を研究することを試み、胃壁浸潤過程に関しては胃壁線維芽細胞との相互作用が浸潤に関わるメカニズムを示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回樹立した共培養によるゼラチンマトリックスの破壊を蛍光で検出する系を用いて、この相互作用を定量化し、がんと間質線維芽細胞の相互作用を阻害する化合物のスクリーニングを推進していく。
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[Journal Article] Cancer susceptibility polymorphism of p53 at codon 72 affects phosphorylation and degradation of p53 protein2011
Author(s)
Ozeki C, Sawai y Shibata T, Kohno T, Okamoto K, Yokota J, Tashiro F, Tanuma S, Sakai R, Kawase T, Kitabayashi I, Taya Y, Ohki R
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Journal Title
J Biol Chem.
Volume: 286
Pages: 18251-18260
DOI
Peer Reviewed
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