2011 Fiscal Year Annual Research Report
mRNAの局在による膜蛋白質の翻訳後修飾の制御
Publicly Offered Research
Project Area | Diversity and asymmetry achieved by RNA program |
Project/Area Number |
23112720
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
後藤 聡 慶應義塾大学, 医学部, 特任講師 (60280575)
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Keywords | 翻訳後修飾 / GPI / 小胞体 / ゴルジ体 / 糖鎖 |
Research Abstract |
近年、卵細胞や神経細胞のみならず通常の上皮細胞などにおいても、多くのmRNAが細胞内の一部に局在していることが明らかになった。私達は発生に重要な役割を果たす細胞膜蛋白質Dally-like protein(Dlp)のmRNAが核膜近傍の小胞体に局在することを見出した。そこで、本研究では、DlpのmRNAが核膜近傍の小胞体に局在することが、その遺伝子産物の機能に重要な役割を果たしているかを検討した。 そのために、DlpのmRNAの局在を変化させ、本来とは異なる小胞体領域で翻訳されたDlp蛋白質は正しく機能するかを検討した。まず、Dlp mRNAの局在を変化させるために、Dlp mRNAの3'UTRを改変したキメラ遺伝子を作成し、そのキメラ遺伝子をもつトランスジェニック個体を得た。その個体でのDlp mRNAの局在を調べたところ、本来の核膜近傍の小胞体とは異なる小胞体領域に局在することが確認できた。ところで、Dlp蛋白質を強制発現により、正常な発生が阻害されることが報告されている。そこで、核膜近傍の小胞体またはそれ以外の小胞体で翻訳させたDlp蛋白質では、正常発生の阻害効率に違いがあるかを検討した。 その結果、本来の核膜近傍の小胞体で翻訳されたDlp蛋白質は強く正常発生を阻害した。ところが、それ以外の小胞体で翻訳されたDlp蛋白質はそれほど強く正常発生を阻害することはなかったという予備的実験結果を得た。このことから、Dlp蛋白質は核膜近傍の小胞体で翻訳されることで正しい機能を獲得すること、言い換えると、Dlp mRNAの局在はその産物の機能に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
異なる局在を示すmRNAから翻訳された産物は、その機能に違いを生じるかというのが、本研究の最も重要な問いであった。その問いに対する答えを予備的ながらも得られたことは、本研究の主要な目的を果たしたことになると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
核近傍以外の小胞体で翻訳されたDlp蛋白質には正常発生を阻害する効果が少ない理由には、いくつもの可能性が考えられる。その理由を明らかにするのが、今後の重要な課題ということができる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Cisterna-specific localization of glycosylation-related proteins to the Golgi apparatus2012
Author(s)
Yamamoto-Hino, M., Abe, M., Shibano, T., Setoguchi, Y., Awano, W., Ueda. R., Okano, H., Goto, S.
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Journal Title
Cell Struct.Funct.
Volume: 37
Pages: 55-63
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] AP-1 clathrin adaptor and CG8538/Aftiphilin are involved in Notch signaling during eye development in Drosophila melanogaster2012
Author(s)
Kametaka, S., Kametaka, A., Yonekura, S., Haruta, M., Takenoshita, S., Goto, S., Waguri, S.
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Journal Title
J.Cell Sci.
Volume: 125
Pages: 634-648
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Fluorescence-monitored zero dead-volume nanoLC-microESI-QIT-TOF MS for analysis of fluorescently tagged glycosphingolipids2011
Author(s)
Daikoku, S., Ono, Y., Ohtake, A., Hasegawa, Y., Fukusaki, E., Suzuki, K., Ito, Y., Goto, S., Kanie, O.
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Journal Title
Analyst
Volume: 136
Pages: 1046-1050
DOI
Peer Reviewed
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