2011 Fiscal Year Annual Research Report
分割RlucーVenusを用いたシナプス形成・消失のリアルタイムイメージング
Publicly Offered Research
Project Area | Mutli-dimensional fluorescence live imaging of cellular function and molecular activity |
Project/Area Number |
23113501
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
齊藤 健太 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60374659)
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Keywords | 生物発光 / バイオイメージング |
Research Abstract |
分割GFPを応用しシナプス結合をGFP蛍光で検出する技術“GFP Reconstitution Across Synaptic Partners(GRASP)”は時間分解能と可逆性に問題がありリアルタイムにシナプスの結合解離を観察するには不向きであった。これらの問題点は分割GFPに起因する。そこで申請者はGRASPにおけるGFPを化学発光タンパク質であるウミシイタケルシフェラーゼ(Renilla Luciferase; RLuc)に置き換える事でリアルタイムに可視化するプローブを作成するために明るい発光タンパク質の開発を進めてきた。RLucはGFPと異なり再構築に要する時間が短く分割・再構築が可逆的である事がわかっている。しかしながらRLucの発光量子収率は約0.05と非常に低く単純にGFPをRLucに置き換えるだけでは細胞・個体のイメージングは難しいと考えられた。そこで申請者は生物発光エネルギー移動(Bioluminescence resonance energy transfer; BRET)を利用しRLucの発光量子収率の増強を組み合わせる事を試みた。RLucをBRETのドナー、蛍光タンパク質VenusをBRETのアクセプターとして両者のリンカー配列や配向を変える事を試みた。また、RLuc自体を明るくする変異をスクリーニングによって発見した。これらの結果を組み合わせることで、元のRLucに対して10倍以上明るく発光するタンパク質を開発することに成功した。この新規開発発光タンパク質を用いる事で、単一細胞レベルでミトコンドリア、微小管、アクチン、細胞核等の細胞小器官をイメージングすることが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は計画に関する諸条件(計画の変更)のために計画がやや遅れたが、BRETによる発光量子収率の増強はうまく進み次年度以降の研究につながる結果を残すことができた事は評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は今年度開発した新規発光タンパク質の動物個体レベルへの応用と、分割発光タンパク質作成を行う。発光タンパク質の分割予定位置に例えばカルシウムイオンと結合して構造変化するタンパク質を組み込む事で機能性指示薬を作成する。この機能性指示薬がうまく働く場所を見出す事で最終目標としているシナプス検出プローブの分割位置として使用する事が可能となる。
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