2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経情報書込の分子機構解明を目指したCaMキナーゼ活性プローブ開発と多重可視化
Publicly Offered Research
Project Area | Mutli-dimensional fluorescence live imaging of cellular function and molecular activity |
Project/Area Number |
23113503
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾藤 晴彦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00291964)
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Keywords | 脳・神経 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
神経情報は、膜電位の上昇下降と神経伝達物質放出によって発生する。そして、神経伝達物質受容に引き続くシナプス電位の変化は、神経細胞内で電気的シグナルと化学的シグナルの両者を生成する。本研究課題では、この化学的シグナルに焦点を当て、化学的シグナル伝達過程を構成する素過程の代表例としてCa^<2+>-カルモジュリン依存性蛋白リン酸化酵素(CaMK)を取り上げ、その酵素活性ダイナミクスが生きた細胞内でどのような実時間変化を遂げるか測定可能な実験システムを開発する。 本研究計画の初年度である平成23年度においては、単一ニューロン、単一シナプスにおけるFRETイメージング方法論を確立することを試みた。具体的には、FRETレシオ測定による生きた神経細胞における酵素活性ダイナミクスの測定法の改良と最適化するため、これまでに予備的に作出したCaMKII,CaMKI,CaMKK,CaMKIVなどの活性測定プローブの最適化を実践した。さらに、改良したプローブを用い、活性化過程の実時間測定を行った。また、in vitroキナーゼ活性測定とFRETベースの酵素構造変化に基づく活性化動態測定の間の相関について調べた。さらにカルシウムとCaMK、あるいはkinaseとphosphataseの2重酵素活性ダイナミクス測定を実施し、各々の活性化・失活化過程の時定数測定比較等を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プローブ作成が計画通りに進捗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
異なるCaMK経路の活性化様式の相違や、CaMKカスケード内における活性化機構についてあきらかにしていく予定である。
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Research Products
(2 results)