2011 Fiscal Year Annual Research Report
がんの生命現象解明のためのナノキャリア型近赤外蛍光アクチベータブルプローブの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Mutli-dimensional fluorescence live imaging of cellular function and molecular activity |
Project/Area Number |
23113509
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
天滿 敬 京都大学, 薬学研究科, 助教 (90378787)
|
Keywords | がん / 分子イメージング / 蛍光 / ナノキャリア |
Research Abstract |
本研究の目的は、がんの浸潤・転移において重要な活性を有する膜結合型マトリクスメタロプロテアーゼ(MT1-MMP)を標的として、MT1-MMPとの相互作用により近赤外蛍光を発するナノキャリア型近赤外蛍光アクチベータブルプローブを開発することにある。本年度は、ナノキャリアへの蛍光剤の内包化検討、蛍光スイッチングに関する検討、標的認識ユニットの評価検討を行った。 1.ナノキャリアへの蛍光剤の内包化検討 これまでに開発した疎水性近赤外蛍光色素IC7-1を母体骨格とし、蛍光特性に影響を与えないと考えられる部位へのアルキル鎖導入によりいくつかの誘導体を設計・合成した。ナノキャリアとして用いたラクトソームへの内包はIC7-1が最も適していたことから以下の検討はIC7-1を用いて行った。また、ナノキャリアとしてラクトソーム・リボソームの利用を計画していたが、合成方法を含め取り扱いの簡便なラクトソームに研究を注力することとした。 2.蛍光スイッチングに関する検討 IC7-1はポリ乳酸に共有結合させることでラクトソームに高濃度内包することが可能であることを認め、内包濃度依存的にラクトソームプローブの蛍光強度が減弱することを見出した。また、SDS処置によりミセル構造を崩壊させることで蛍光強度が回復することから、所期の通り本プローブがアクチベータブルプローブとなり得る可能性が示された。 3。標的認識ユニットの有効性評価検討 ラクトソーム構成ポリマー分子の水溶性末端にマレイミド基を導入し、ラクトソーム表面への分子修飾を可能とした。標的認識ユニットには抗MT1-MMP抗体、抗MT1-MMP単鎖抗体、MT1-MMP認識ペプチドを検討したところ、抗MT1-MMP抗体を用いた場合にMT1-MMP認識性を認めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度交付申請書に記載の研究計画に従って研究を展開できているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
概ね当初の研究計画通りの推進が可能であると考えている。インビボ検討においては種々の予測外の結果が得られる可能性があることから、早期にインビボ検討を行い本プローブの妥当性を評価していく予定である。
|