2011 Fiscal Year Annual Research Report
HB-EGF前駆体切断機構を利用したSHEDDING活性可視化と腫瘍転移予測
Publicly Offered Research
Project Area | Mutli-dimensional fluorescence live imaging of cellular function and molecular activity |
Project/Area Number |
23113512
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
井上 博文 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70321635)
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Keywords | HB-EGF / ectodomain shedding / 悪性腫瘍 / 浸潤・転移 / 蛍光イメージング / splitGFP |
Research Abstract |
今までメタロプロテアーゼのEGFファミリーshedding活性とそれに引き続く一連の生物活性は、in vitro系を用いた細胞集団での評価が主流であり、かつそれぞれの活性を単独に解析するしかなかった。さらに生体内活性については、その経時的解析手法がないためにin vivo系評価も困難であった。今回我々は、今までに明らかにしてきたshedding後のHB-EGF前駆体カルボキシル基末端側ペプチド(CTF)が核膜へ逆行輸送される機序を利用して蛍光シグナルで時空間的に腫瘍細胞のshedding活性を可視化し、上記一連の生物活性をこのシグナル検出に集約することを目指し、以下の実験を行った。 HB-EGF前駆体細胞内領域での蛍光タンパク質挿入部位を検討するために、細胞膜直下から一アミノ酸ずつずらして緑色蛍光タンパク質遺伝子AzamiGreenをHB-EGF前駆体遺伝子に挿入し、HT1080細胞に導入した。その結果、4か所においてフォルボールエステル刺激による蛍光シグナルの核への移行が認められた。さらにこの4種類のAzamiGreen挿入HB-EGF前駆体遺伝子(proHB-EGF-mAG)発現レンチウイルスベクターを作成し、wound healingアッセイによる細胞移動と蛍光シグナルの細胞内局在性について検討した。それより、いずれのproHB-EGF-mAGにおいても細胞間ギャップ部位に位置する細胞において核での蛍光シグナル増強が確認された。よって蛍光タンパク質程度の挿入でもCTFが核へ移行するのを阻害することはない事が確認された。また、フォルボールエステルだけではなく、wound healingアッセイによる細胞移動刺激においても蛍光シグナルの核への局在を見ることができ、さらにsplitGFPを用いた機能特異的な蛍光イメージングが期待できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
proHB-EGF-mAG遺伝子の細胞内導入が予想以上に時間を要したため、年度末に予定していたsplitGFP遺伝子導入の時期が2カ月ほど遅れてしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
年度初めまでに遺伝子導入を完了し、8月までにwound healingやマトリゲル浸潤アッセイを用いた蛍光シグナルと細胞移動との相関性についてタイムラプス顕微鏡にて確認する。 9月からは本システム導入癌細胞を用いたヌードマウスへの移植を行い、癌細胞浸潤領域や遠隔転移巣におけるsplitGFPシグナルについて観察を行う。 同時にEGF領域を除いたプローブ作成もすすめ、増殖活性に影響の少ないプローブ構築を目指す。
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