2011 Fiscal Year Annual Research Report
多光子顕微鏡によるマラリア肝細胞期防御の生体イメージング
Publicly Offered Research
Project Area | Mutli-dimensional fluorescence live imaging of cellular function and molecular activity |
Project/Area Number |
23113514
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
由井 克之 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90274638)
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Keywords | マラリア / 生体イメージング / 肝臓 / 感染 / T細胞 / 原虫 / マウス |
Research Abstract |
マラリア肝細胞期はワクチン開発の主要な標的となっているが、肝細胞期の感染防御機構については十分に理解されていない。我々は、モデル抗原OVAを発現するマラリア原虫Plasmodium berghei-OVA用いて肝細胞期T細胞防御免疫機構を解析する実験系を立ち上げた。この実験系を用いて、標的となる肝細胞とモデル抗原OVA特異的T細胞の生体イメージングを行い、肝細胞期におけるT細胞のエフェクター機構を解明することが本研究の目的である。 本研究の第一段階は、マラリア原虫感染肝細胞を生体イメージングにより観察できるか否かという点であった。gfp発現マラリア原虫のスポロゾイトをハマダラカの唾液腺から採取してC57BL/6マウスに感染させ、多光子レーザー顕微鏡を用いて肝臓を生体イメージングすることにより、感染肝細胞を明確に捉えることに成功し、第一段階はクリアできた。感染細胞は、スポロゾイト静注24~54時間程度の期間生体イメージング可能であり、肝細胞はその大部分の期間安定的であった。第二段階としてはT細胞サイドであるが、OVA特異的T細胞受容体トランスジェニックCD8^+T細胞OT-Iと蛍光蛋白発現マウスを交配して準備した。両者の相互作用を観察するためにはOVAとgfpを同時に発現する組換えマラリア原虫の作製が必要である。OVAとgfpの融合蛋白の遺伝子コンストラクトをマラリア原虫に導入し、安定発現株のクローン化を行っている。この組換え原虫を完成させ、肝細胞期エフェクター防御機構を多光子顕微鏡により生体イメージングを行う準備を整備することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
蛍光蛋白egfpと抗原OVAの融合蛋白を発現する組換えマラリア原虫の作製に時間がかかっている。作製した組換え体が不安定で、組換え遺伝子を保持する組み換え体のクローニングが困難であった。egfpやOVA各々単独の組換え体作製は問題なかったので、遺伝子コンストラクトの問題だと考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子コンストラクトの配列に問題がある可能性があるので、別の遺伝子コンストラクトを作製して試している。また、クローニングについては、egfp陽性感染赤血球をソーティングして効率を高めている。組換え体の増殖速度が野性型に比べてやや遅いことが問題と考えられ、組換え体のクローンは大凡入手に近い段階まで進展している。また、組換え体が完成するまでの期間は、蛍光発現マラリア原虫を用いて肝細胞期の生体イメージングを進める。
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Research Products
(8 results)