2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路形成を支えるメンブレントラフィックの分子遺伝学的解析
Publicly Offered Research
Project Area | Intracellular logistics: interdisciplinary approaches to pathophysiology of membrane traffic |
Project/Area Number |
23113705
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
千原 崇裕 東京大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (00431891)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | メンブレントラフィック / 神経回路 / ショウジョウバエ / 発生 / 遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、神経形態・回路形成に異常を示す新規メンブレントラフィック関連変異体dogiの解析を更に進めた。まず、dogiと結合する分子としてGlued(Dynactin)を見出したため、dogiとGluedの関係に着目した。Gluedは、Dyneinモーター蛋白質を制御するDynactin複合体の重要なサブユニットの1つである。では、dogi変異体神経内では、どのような物質輸送が異常になった結果、軸索伸長異常が起きているのだろうか?私は「初期エンドソームの輸送異常」が結果的に軸索突起伸長に影響を与えているとの仮説を立てた。まず、S2細胞でdogiをノックダウンし、様々な初期エンドソームマーカーを調べた。その結果、dogiノックダウン細胞では、エンドサイトーシス自体は起こるものの、その後の初期エンドソームの輸送異常、形態異常が検出された。一般に初期エンドソームは、細胞膜近傍に形成された後、Dynein依存的な輸送により細胞核近傍まで輸送され、その過程で融合を繰り返し成熟初期エンドソームになる。しかし、dogiノックダウン細胞では、形成された初期エンドソームは長期間細胞形質膜の近傍に留まり、またそれらエンドソームのサイズは小さかった。すなわち、dogiノックダウン細胞では、初期エンドソームの成熟過程が異常になっていることが明らかになった。次に、初期エンドソームの融合・成熟を制御するRab5の活性化型をdogi変異体神経に発現させ軸索の長さを定量した。その結果、活性化型Rab5発現dogi変異体神経の軸索は、活性化型Rab5を発現していないdogi変異体神経に比べて、顕著に伸長していた。以上の結果は、進化的に保存された機能未知蛋白質Dogiによる軸索伸長制御機構を提示すると同時に、軸索突起伸長における初期エンドソーム成熟の重要性を示す初めての結果である。
|
Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|