2011 Fiscal Year Annual Research Report
Arf-like GTPaseが介在する細胞内ロジスティクスと関連疾患
Publicly Offered Research
Project Area | Intracellular logistics: interdisciplinary approaches to pathophysiology of membrane traffic |
Project/Area Number |
23113706
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
紺谷 圏二 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (30302615)
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Keywords | 低分子量G蛋白質 / 一次繊毛 / 繊毛性疾患 / オルガネラ / メンブレントラフィック |
Research Abstract |
繊毛は細胞膜から突出した特徴的な構造体であり、哺乳動物において多様な組織の細胞に存在し、水流の発生や、繊毛に存在する受容体を介した細胞外環境の感知などの機能を担っている。繊毛局在性Arf/ArlファミリーGタンパク質Arl13bは、一次繊毛の形成や機能に重要であることが知られているGタンパク質であり、最近、繊毛症の一つであるJoubert症候群の原因遺伝子であることが報告された。Arl13bの機能発現には、Arl13bが繊毛に局在することが重要であるが、Arl13bの繊毛への局在化機構については全く未解明である。 本年度の研究において、Arl13bの繊毛への輸送機構の検討を行い、以下の知見を得た。 1.Arl13bの繊毛局在性には、N末端のパルミトイル化修飾とC末端近傍に存在するRVxPモチーフの両者が必要である 2.Arl13bは、ゴルジ体に局在するDHHCファミリータンパク質によってパルミトイル化修飾を受ける可能性がある 3.ゴルジ体に局在する膜蛋白質にRVxPモチーフを付加すると繊毛への局在能を獲得する 以上の結果から、細胞質で合成されたArl13bは、ゴルジ体へ輸送され、そこでパルミトイル化修飾を受けたのち、RVxPモチーフが認識されて繊毛に局在することが想定された。RVxPモチーフはArl13b以外の繊毛局在性膜タンパク質のいくつかにも存在しており、Arl13bのRVxPモチーフを介した繊毛への輸送機構の解析が、未だ謎の多い繊毛への選別輸送機構の解明に貢献すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
繊毛への膜タンパク質の輸送機構に関しては不明な点が多いが、本年度の研究により、RVxPモチーフがゴルジ体以降で選別輸送シグナルとして機能する可能性を見出した。この知見は繊毛への輸送機構の解明に貢献すると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
RVxPモチーフによる選別輸送機構を解明するためには、RVxPモチーフを認識する因子(結合する因子)の同定が重要であり、アフィニティーカラムや共沈降実験などにより、その同定を目指す。
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Research Products
(10 results)