2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内逆行性輸送における生体膜脂質の機能
Publicly Offered Research
Project Area | Intracellular logistics: interdisciplinary approaches to pathophysiology of membrane traffic |
Project/Area Number |
23113707
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 洋由 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40167987)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 逆行性物質輸送 / エンドソーム / ホスファチジルセリン / スフィンゴミエリン / リン脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
Evectin-2 は、N 末端側にPHドメイン、C 末端側に膜貫通ドメインを持つリサイクリングエンドソーム(REs)に局在する分子量25kDaのタンパク質である。Evectin-2 を発現抑制するとREsからゴルジ体へのコレラ毒素の輸送が阻害され、またTGN46やGP73 (ゴルジ体に主に局在するが、常にゴルジ体-細胞膜-エンドソームを逆行性物質輸送によって巡回しているタンパク質)がエンドソームに散在化してしまうことから、Evectin-2はREsからゴルジ体への逆行性物質輸送を制御していることが明らかとなった。さらに、Evectin-2のPHドメインがphosphatidylserine (PS)に特異的に結合し、その結合がEvectin-2の機能とREsへの局在に必須であることを示した。Evectin-2に結合するタンパク質を網羅的に解析したところGP73 が同定され、Evectin-2は逆行性物質輸送のカーゴの選別装置として機能していることが示唆された。また、O-phosphoserine (PSの極性頭部分)とEvectin-2のPHドメインの共結晶構造を解くことで、Evectin-2のPHドメインは、phosphoinositidesに結合するPHドメインと異なる構造的特徴を持つことが明らかとなった。 本研究結果は、REsが逆行性物質輸送の重要な中継地点であることをEvectin-2という制御因子を明らかにすることで初めて示した点、REsがcytoplasmic leafletにPSを豊富に発現しているユニークな細胞小器官であることを明らかにした点で意義がある。
|
Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|