2011 Fiscal Year Annual Research Report
LRRK1によるEGFRリソソーム分解経路選別機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Intracellular logistics: interdisciplinary approaches to pathophysiology of membrane traffic |
Project/Area Number |
23113713
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
花房 洋 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (00345844)
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Keywords | LRRK1 / EGFR / endosome / dynein |
Research Abstract |
ROCOファミリーキナーゼLRRK1はRasに似たGTPaseドメインとMAPKKKに似たキナーゼドメインを持つユニークな分子である。これまで我々は、LRRK1がEGFRの細胞内トラフィックを制御することを明らかにしてきた。LRRK1はEGF刺激依存的にEGFRと複合体を形成し、EGFRの早期エンドソームから後期エンドソームへの移行を制御する。生細胞を用いたタイムラプス観察から、LRRK1によるEGFRの輸送制御は微小管上をDyneinモータータンパク質依存的に行われることを明らかにした。この輸送制御にはLRRK1のキナーゼ活性が重要な働きをしており、恒常的に活性化させたLRRK1を発現させると、EGFRの輸送が過剰に促進されることを見いだした。その結果、EGFRを含むエンドソームでは早期エンドソームから後期エンドソームへの成熟が異常となり、核付近に肥大化した未成熟でミックスされた小胞を形成する。電子顕微鏡観察から、これらの小胞では内部小胞の形成が阻害されていることを明らかにした。またLRRK1のキナーゼ活性は、複合体に含まれるEGFRによってリン酸化され抑制されていることも明らかにした。EGFRキナーゼの活性はエンドサイトーシスに重要であることが知られているが、本研究から、EGFRキナーゼはLRRK1を負に制御することで自身の細胞内トラフィックを適切に制御していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LRRK1によるEGFR細胞内トラフィックの制御機構に関し、現在のところ順調に成果を出し論文としても発表できている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに得られた知見をもとに研究計画に沿って研究を遂行する。 これまでのところ特に大きな問題はなく、本年度中に論文として発表できるよう研究を進める予定である。
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Research Products
(3 results)