2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達物質放出における超高速小胞融合プロセス制御
Publicly Offered Research
Project Area | Intracellular logistics: interdisciplinary approaches to pathophysiology of membrane traffic |
Project/Area Number |
23113719
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山本 泰憲 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30467659)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 神経伝達物質 / シナプス小胞 / SNARE / 尾部アンカー型膜タンパク質 / 小胞体 / 膜挿入装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経伝達物質の過剰放出や不足は、てんかん、統合失調症、鬱等の様々な神経疾患を引き起こす。神経伝達物質の放出量は、シナプス小胞が連続した素過程(融合小胞の選別、ターゲッテイング、ドッキング、プライミング、膜融合)を経て、シナプス前膜に超高速で融合することで厳密に管理されている。本研究では、素過程とその順序を構成、制御する分子基盤の解明を行い、得られた知見に基づき、長年不明であった素過程と超高速膜融合に至る膜構造変化との機能関係を明らかにすることを目的とする。 超高速膜融合の制御メカニズムの1つとして、小胞膜および標的膜に存在するSNAREタンパク質の分子数による制御(=生合成の制御)の可能性が示唆されているが、そのメカニズムは不明な点が極めて多い。SNAREタンパク質のうち、小胞に存在するVAMPや標的膜に存在するシンタキシンは、C末に1回の膜貫通領域を持つ尾部アンカー型膜タンパク質に属しており、生合成過程において、尾部アンカー型膜タンパク質はシグナル配列がリボソームの外へ出てくる前に翻訳が終了するため、トランスロコンによる小胞体膜への挿入が物理的に不可能である。このため必然的に翻訳後に膜挿入されなければならないが、その非トランスロコン型膜挿入装置の実態は長年の間不明のままであった。そこで本年度はSNAREタンパク質の生合成制御に着目して研究を行った。その結果、尾部アンカー型膜タンパク質の非トランスロコン型膜挿入装置の分子実態が小胞体膜タンパク質CAMLとWRBと細胞質ATPアーゼTRC40 (ASNA1)からなる3者複合体(CAML複合体)であることを明らかにし(Yamamoto et al., Molecular Cell (2012))、長年不明であったSNAREタンパク質の生合成メカニズムを解明することに成功した。
|
Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)